社説

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 新型コロナウイルスの感染拡大が日本経済にかつてないダメージを与えていることが裏付けられた。

 内閣府が発表した2020年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で27・8%減のマイナス成長に陥った。落ち込み幅はリーマン・ショック後を超え、戦後最悪となる。

 政府が4~5月に出した緊急事態宣言で、経済活動がストップした影響が大きい。外出自粛や店舗休業でGDPの5割超を占める個人消費が著しく落ち込み、世界的な感染拡大で自動車などの輸出は滞った。渡航制限でインバウンド(訪日観光客)需要も消滅した。

 内需、外需とも総崩れの事態に、専門家は「過去に例を見ない危機」と警鐘を鳴らす。従来のような需要喚起策では十分な効果は望めそうもない。

 次の7~9月期は反動で持ち直したとしても、再び拡大傾向にある感染状況が影を落とす。収束の兆しが見えない中、秋以降に景気がさらに悪化する「二番底」も懸念され、先行きへの不安が高まっている。

 ワクチンや治療薬が開発されるまでは、人やモノの動きは制約が続く。政府は、検査体制強化などで感染拡大を食い止めつつ、遠回りでも着実に経済再生に向かう戦略を練り直す必要がある。

 今後危惧されるのは雇用情勢の悪化である。厚生労働省によると、新型コロナ関連の解雇や雇い止めは全国で4万4千人を超えた。特に非正規労働者や若者の新規採用へのしわ寄せは見過ごせない。

 個人消費を上向かせるには雇用と家計を守る手だてが不可欠だ。企業の休業手当に助成する雇用調整助成金の拡充は9月末に期限を迎えるが、延長は必須だろう。

 医療の逼迫(ひっぱく)を招かないよう、コロナ対応で経営状況が悪化した医療機関への財政支援も欠かせない。

 一方で政府は、観光支援策の「Go To」事業は継続する方針だが新たな感染拡大を招く恐れなどから効果を疑問視する声が上がる。

 中途半端にアクセルとブレーキを踏み続けることで、さらなる経済の下振れを招いては元も子もない。経済回復のためにも、今は感染抑止と困窮者支援に比重を置くべきではないか。これまでの対策を検証し、不要不急な支出を見直すこともためらってはならない。

 政府は第2次補正予算で、10兆円という異例の巨費を予備費として積んだ。これが有効に使われるには国会のチェックが欠かせない。

 速やかに臨時国会を召集し、安倍晋三首相が感染の現状認識と今後の方針を国民に示すべきだ。

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