社説

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 世界で新型コロナウイルスへの感染が再加速している。欧米では各国で1日当たりの新規感染者数が過去最多を更新し、多くの国が感染対策の再強化に乗り出した。日本でも感染増加が目立つ。

 懸念の一つが経済への影響である。欧米で生産や消費が大きく落ち込めば、日本の景気不振にもいっそう拍車がかかりかねない。

 政府は情報収集に努め対策を講じるとともに、社会全体で改めて感染対策を徹底したい。

 フランスは全土で外出を制限し、ドイツは飲食店などの営業を禁じた。英イングランドは2度目の都市封鎖に踏み切り、米国では一部地域で屋内飲食を禁ずるなど、流行の抑え込みに躍起になっている。

 いずれも今春の流行より大きな波に襲われている。フランスやスペインは累計感染者数がともに100万人を上回った。感染者数、死者数とも世界最多の米国では1日の新規感染者数が初めて10万人を超えた。

 死者は以前と比べて少ないが、入院患者が急増し医療現場への負担が増している。世界保健機関(WHO)や専門家が「重大な懸念」を示すのも当然だ。

 日本では7月からの感染拡大が8月をピークに減少に転じたが、落ち幅は十分ではなく、ここ数週間は増加傾向が続いている。

 新たな感染者が東京では200人以上になる日も珍しくない。北海道ではきのう初めて100人を超えたほか、兵庫県では県独自の警戒レベルが2番目に高い「拡大期1」に迫っている。

 北海道の感染拡大は、気温や湿度の低下が要因との見方も出ている。湿度が低い方が、飛沫(ひまつ)は遠くに届くという実験結果も出ている。寒くなれば窓を閉め切るため換気が不十分になりがちだ。

 移動や会合などの社会活動が増えていけば、感染リスクも高まっていく。その分、「3密」や大人数での飲食を避けるなど、感染リスクを引き下げるための基本的な対策を、一人一人が徹底する必要がある。

 夏以降の感染者数減少で、その点がおろそかになってはいないか。もう一度、気を引き締めたい。

 気がかりなのは菅政権が「Go To トラベル」の実施期間の延長を検討するなど、「感染対策と経済活動の両立」を掲げながらも経済再生に前のめりに映る点だ。ビジネスを目的とした海外との往来再開にも、徐々にかじを切っている。

 冬場を前にインフルエンザとの同時流行にも懸念が高まっている。感染状況を迅速に見極めながら、国や自治体は医療現場の強化など必要な対策を急がねばならない。

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