社説

  • 印刷

 上場企業の2020年9月中間決算がほぼ出そろった。10月末までの発表分では全体の約2割が赤字となり、純利益の総額は前年同期と比べ4割減と大幅に悪化した。

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で経済活動がストップした影響をまともに受けた企業が多いが、中には好業績を残した例もある。感染の収束が見通せず、業績回復への道のりは険しいが、コロナ禍を生き抜くヒントを多くの企業がつかんでほしい。

 業種別では、外出自粛が響き、航空や鉄道が旅客需要の減少に苦しんだ。ANAホールディングスは1884億円の赤字となったほか、JR西日本も中間決算の開示を始めた00年度以来、初の赤字を計上した。

 JR西は神戸・三ノ宮駅ビルの再整備について、従来計画を白紙にして内容を見直す方針を明らかにした。重要プロジェクトとしての位置付けは変わらないとするが、神戸の都市再生にも影響は大きい。早く方針を示すよう地元の官民で働きかけを強めるべきだ。

 兵庫県内大手の川崎重工業は272億円の赤字だった。橋本康彦社長は21年度の黒字化を掲げ、二輪車と鉄道車両の分社化や、造船とプラント事業の統合などの方針と、目標となる中長期的ビジョンを示した。

 神戸製鋼所は152億円の赤字となり、通期でも150億円の赤字となる見通しだ。追加のコスト削減や自動車向け鋼材などの回復で赤字幅は8月予想から200億円縮小する。

 両社とも、懸案だった収益力の強化がコロナ禍で待ったなしとなった形だ。協力企業も含めた県内事業所の雇用や技術集積を維持するためにも、攻めの姿勢で挑んでもらいたい。

 一方、経済社会のデジタル化の進展を背景に、電気機器や情報通信は増益となった。在宅勤務やインターネット通販の浸透を受け、ITサービスも好業績が目立った。

 世界の感染者数は増え続け、国内でも再拡大が懸念される。ビジネスも日常生活も感染対策を意識した「ニューノーマル」(新常態)への対応が不可欠で、その点に商機を見いだす必要がある。

社説の最新
もっと見る

天気(1月22日)

  • 13℃
  • 8℃
  • 80%

  • 11℃
  • 3℃
  • 90%

  • 10℃
  • 7℃
  • 70%

  • 9℃
  • 5℃
  • 90%

お知らせ