社説

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 新型コロナウイルス感染拡大の「第4波」の兆候が各地で顕著になっている。巨大な波につながらないよう対応が急がれる。

 1日当たりの新規感染者数は全国的に増加傾向にあり、先週は宮城、山形、愛媛の各県で過去最多を更新し、沖縄県などでも急増している。大阪府では300人を超える日が相次ぎ、首都圏でもリバウンド(感染再拡大)傾向が鮮明だ。

 兵庫県も連日100人前後が報告され、病床使用率は「ステージ4」(爆発的感染拡大)相当の50%超に達している。特に神戸市では80%を超え、市立2病院で通常の入院・手術の受け入れ制限を再び強めると発表した。

 県は既に「第4波が来ている」との認識を示しており、対策強化は欠かせない。県はきのう、飲食店に要請する営業時間短縮の対象地域を18市町に拡大し、4月21日までの3週間の延長を決めた。

 感染拡大の要因の一つと指摘されるのが、従来株より感染力が強いとされる変異株の存在である。

 これまでに国内で確認された感染者は少なくとも26都道府県で649人に上る。変異株の検査を強化する神戸市の直近の発表では検査した感染者の半数以上を占めていた。

 欧州やブラジルなどのように国内でも従来株から置き換わり、主流になるのは時間の問題とみられる。一度流行が始まると手が付けられなくなる恐れがあり、徹底的に抑え込まなければならない。

 政府は、自治体と連携し、感染者の変異ウイルスの有無を調べる「変異株スクリーニング検査」を全体の5~10%から40%程度に増やす方針だ。しかし、目標を掲げるだけでは取り組みは進まない。神戸市は独自のゲノム解析などで新規感染者の6割以上を検査しているという。

 ただ専門的な設備や人材を擁する自治体は限られる。国は検査会社と協力するなどして、全国的に変異株の検査割合を迅速に引き上げ、感染者の実態把握を急ぐべきである。

 一方、感染者急増に備えた病床の拡充、医師や看護師の確保も待ったなしの課題だ。法改正で新設され、緊急事態宣言に準じた私権制限が可能になる「まん延防止等重点措置」適用の是非も検討する必要がある。

 政府の専門家分科会の尾身茂会長は「高齢者のワクチン接種が始まるまで(リバウンドを)何が何でも防ぐことが重要だ」と述べた。政府や自治体はこのことを肝に銘じて先手先手の対策を打たねばならない。

 宣言解除に伴う「気の緩み」が感染再拡大を加速させているとの指摘もある。一人一人が引き続き感染対策を徹底したい。

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