社説

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 兵庫県知事選の告示(7月1日)まで1週間を切った。

 井戸敏三知事の今期限りでの退任に伴う選挙で、5期20年に及ぶ井戸県政への評価や、何を継承し、何を刷新するかが大きな焦点となる。

 前大阪府財政課長の斎藤元彦氏=自民、維新推薦▽元兵庫県議の金田峰生氏=共産推薦▽前兵庫県副知事の金沢和夫氏▽元加西市長の中川暢三(ちょうぞう)氏▽音楽塾経営の服部修氏-の5人が立候補を表明している。

 県議会最大会派の自民党が金沢氏を支援する一方、一部県議はこの方針に反発し、自民党本部も最終的に日本維新の会が推す斎藤氏への推薦を決めた。兵庫の知事選では異例の保守分裂選挙となる。

 知事選は市町長選や国政選挙に比べて有権者の関心が薄く、参院選との同日選を除けば投票率は低い。2017年前回選は40・86%だった。だが知事の政治姿勢や政策は県民の生活と深く結びついており、高い関心が集まることが望ましい。

 新型コロナウイルス感染拡大の収束が見通せず、暮らしへの影響が長期化する中、深刻な人口減少や打撃を受けた経済の回復、行財政改革など県政の課題は山積している。

 神戸新聞社が有権者に実施した電話調査では、投票の際に重視する点として、31・2%が「政策や公約」と回答し、最も多かった。7月18日の投開票日まで、それぞれの訴えに耳を澄まし、目を凝らしたい。

 本社などが主催したウェブ討論会では、立候補予定者4氏が新型コロナ対策や人口増への取り組み、財政再建などについて論戦を展開した。

 喫緊の課題であるコロナ対応を巡っては、斎藤氏が「ワクチン接種会場や重症病床の拡大」を掲げ、金田氏は「大規模なPCR検査で無症状者の保護を」と訴えた。金沢氏は「感染者急増時の民間病院の受け入れ体制支援が必要」とし、中川氏は「ビッグデータ活用で感染状況の可視化を」と主張した。

 県内でも重症者用病床が足りず、入院先が決まらずに亡くなる人が相次ぐなど医療崩壊の危機に直面した。感染力の強い変異株の流行も懸念され、ワクチン接種の加速へ支援の手だてを尽くしたい。事業者や労働者の困窮も切実さを増している。

 感染抑止と経済再生をどのように両立させるのか。若者の県外流出を防ぐために雇用の場をどう創出し、地域を活性化させていくのか。各候補は選挙戦で政策を具体的に語り、課題解決への道筋を示してほしい。

 コロナ禍で国の方針が揺れる中、かつてないほど知事の役割と力量に注目が集まる。候補者の言葉を注意深く聞き、その違いを見極める有権者の力量も問われている。

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