夏の甲子園大会出場を懸けた全国高校野球選手権兵庫大会が2年ぶりに開催される。組み合わせ抽選もあり、大半の出場校は初戦の相手が決まった。7月3日の開幕が待ち遠しい。
昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、夏の甲子園大会は中止となり、予選の兵庫大会も開催されなかった。一昨年以来となる夏の兵庫ナンバーワンの座に就くのはどの学校か。出場全157チームの戦いぶりに注目したい。
今大会は、トーナメントで行う大会形式は例年と変わらないが、各球場の観客数を定員の50%とし、上限を5千人に絞る。組み合わせ抽選会も、各校の主将に代わり、顧問教諭がくじを引いた。
入場者のマスク着用など、感染防止策を徹底する体制も昨年と同様だ。ワクチン接種などが行き渡っていない現状では、警戒を緩めることはできない。
今大会は、観客の密集防止や暑さ対策で、5回戦以降は各球場で1日1試合ずつの分散開催となる。運営面での煩雑化は避けられないが、感染リスクを抑えるためには、可能な限りの策を講じるのは当然だろう。
感染予防対策による制約は少なくないが、今春の県大会を制した神港学園をはじめ、選抜高校野球大会に出場した神戸国際大付、同じく21世紀枠で甲子園の土を踏んだ東播磨のほか、一昨年の覇者・明石商など実力チームがそろう。今大会も多くの好勝負、熱戦を期待したい。
気掛かりなのは、各チームの練習量や仕上がり状態だ。6月下旬まで緊急事態宣言が発令されていたため、練習試合などによる実戦経験が十分ではない。
猛暑対策も例年以上に気を使う必要がある。練習試合などの減少に伴い、審判員らの経験不足や暑さへの慣れも不安材料の一つという。兵庫県高校野球連盟は、選手だけでなく、観客や大会関係者の熱中症予防などにも神経をとがらせる。
日程が順調に進めば、決勝戦は7月29日にある。いろいろと心配は尽きないが、「チームメートと1試合でも多く」と全力で打ち込むのが高校野球の魅力である。選手は一戦一戦に集中し、悔いが残らないプレーをしてほしい。
