社説

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 兵庫県知事選が告示され、17日間の選挙戦に突入した。新型コロナウイルス対策、人口減少など県政課題が山積する中、コロナ収束後の社会を見据え、あすの兵庫像をどう描くかが問われる大切な選挙である。有権者は候補者の主張に耳を傾け、公約を吟味して1票を投じたい。

 立候補したのはいずれも無所属新人で、音楽塾経営の服部修氏(47)▽元加西市長の中川暢三(ちょうぞう)氏(65)▽元大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)=自民、維新推薦▽前兵庫県副知事の金沢和夫氏(65)▽元兵庫県議の金田峰生氏(55)=共産推薦-の5人。推薦候補を巡って自民党県連が割れ、異例の保守分裂選挙となる。

 今期限りで退任する井戸敏三知事の5期20年に及ぶ県政への評価や、何を継承し、何を刷新するかが焦点だ。各候補は兵庫の将来につながる政策を明確に示してもらいたい。

 県民の最大の関心事は新型コロナ対応だろう。兵庫県は緊急事態宣言こそ解除されたが、感染力の強い変異株の流行も懸念されている。飲食店などへの度重なる休業・時短要請などで事業者や労働者は疲弊し、生活への影響も長期化している。

 感染の抑制とともに、経済を立て直す具体策が求められる。各候補は医療体制の拡充やワクチン接種の加速、経済的な支援などを公約に掲げるが、実効性が見えにくいものもある。論戦を通じて県民の命と健康を守る方策が明らかにされ、投票の判断材料となることを期待したい。

 人口減少対策も喫緊の課題だ。兵庫県が公表した2020年国勢調査速報値によると、県の総人口は546万9184人と、5年前の前回調査から約6万6千人減った。

 転出者が転入者を上回る「転出超過」は9年続き、20年は全国ワースト2位だった。県の予算でも県内での就職や移住を若者らに促す施策が並ぶが、依然歯止めはかからない。過疎化が著しい地域も多い。

 井戸知事が力を注いだ財政再建も道半ばである。18年度決算で収支均衡は達成し、一定のめどはついたものの、阪神・淡路大震災からの復興で背負った債務はいまだ重い。

 コロナ禍による企業業績の悪化などで、21年度の県税収入は前年度比919億円の減少を見込む。限られた財源でどの課題に優先して取り組むのか。各候補は既存施策の見直しを含め、主張を戦わせてほしい。

 まん延防止等重点措置が適用される中、集会や街頭演説での感染防止策は欠かせない。会員制交流サイト(SNS)などを活用した有権者への効果的な発信も必要になる。

 コロナ後の兵庫のリーダーを選ぶ重要な機会だ。危機を乗り越える力量の有無をじっくりと見極めたい。

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