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 中国共産党が、創建100年を記念する祝賀大会を北京の天安門広場で開いた。習近平党総書記は、貧困から脱却して国民生活に少しゆとりができる「小康社会」を達成したと宣言し、世界第2位の経済大国に成長した党の功績を自賛した。

 同時に「われわれをいじめ、抑圧し、奴隷にしようとする外部勢力を中国人民は絶対に許さない」とも強調した。軍事的に米国と対峙(たいじ)する力を付けた自負を示したと言える。

 日本にとって中国は最大の貿易相手国で、経済関係は緊密さを増している。一方で沖縄県・尖閣諸島の周辺に公船を侵入させるなど、緊張を高める動きも見せている。

 日中は「一衣帯水」の隣国だ。存在感を急速に高める大国とどう向き合うか、日本の立ち位置と基本姿勢を冷静に考える必要がある。

 1921年7月、毛沢東らが上海で第1回党大会を開いたとき、党員は全国でわずか五十数人だった。それが2021年6月時点で9500万人を超えた。今や中国人の約15人に1人を占める巨大組織である。

 事実上、一党独裁の共産党は、軍や行政、司法、立法、企業、学校など、社会のあらゆる部門に組織を張り巡らす。そのトップが、国家主席を兼務する習氏だ。

 9年前に総書記に就任してから権力の一極集中が進み、任期制限を撤廃して長期支配に道を開いた。近年は「建国の父」毛沢東と並ぶ存在として個人独裁の色彩を強める。

 習指導部は「中華民族の偉大な復興」を掲げて愛国心をあおり、求心力を高める姿勢を見せる。その動向を、周辺国は警戒している。

 共産党は搾取のない、平等な社会を目指してきたとされる。一定の豊かさを実現し、統治体制の「優位性」と「正当性」を誇示した。

 一方、その道のりは西洋列強との戦いや日中戦争、国民党との内戦など苦難の連続だった。「国を強くするため軍を強くする」との信念は、歴史に根ざしたものなのだろう。

 しかしながら、南シナ海などで他国を威圧する動きは目に余る。香港の自由を弾圧し、ウイグル族など少数民族を抑圧するなど、人権を軽視する統治にも国際社会は批判的だ。

 習氏が台湾の統一を「党の歴史的任務」と明言したことに米国は警戒心を隠さない。「強国」としての振る舞いが分断や対立の要因になっていることを自覚せねばならない。

 党主導体制が経済発展に寄与したと自認するが、少子高齢化などの問題も顕在化してきた。成長の鈍化で「豊かさ」に陰りが見えれば、国内の不満が高まる恐れは否めない。力の支配で安定を確保しても信頼は得られないと、肝に銘じるべきだ。

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