社説

  • 印刷

 東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言が出されることになった。沖縄県の宣言と埼玉、神奈川、千葉県と大阪府のまん延防止等重点措置は延長する。期限はいずれも来月22日までとなる。

 一方、兵庫、京都など5道府県の重点措置は期限の11日で解除する。

 東京の感染再拡大に歯止めがかからない。きのうは新たに896人の感染が確認され、前週の同じ曜日を上回るのは19日連続となった。インドで発見され、感染力が強いとされる変異株「デルタ株」への置き換わりも進む。首都圏全体で感染状況が悪化しているのは明らかだ。

 菅義偉首相は会見で「東京から全国に飛び火することのないよう宣言を発出した」と述べた。

 3度目の宣言の解除からわずか3週間後の再発令である。菅政権は専門家らの声に真摯(しんし)に耳を傾けず、甘い見通しで感染の抑え込みに失敗したと言わざるを得ない。場当たり的な対応を繰り返してきた責任が厳しく問われる。

 首相の会見には多くの疑問が残った。重点措置に感染抑止効果はあったのか。宣言対象地域では酒類提供の停止を要請するが、飲食店をはじめ国民の疲弊は限界に達しつつある。要請にこれまで通りの協力が得られるとは限らない。

 ワクチンの供給不足への懸念から全国の自治体で接種予約を停止するなどの混乱も広がる。これに対し首相は「先進国で最も速いスピードで接種は加速している」とアピールし、自らの責任には言及しなかった。

 政府の専門家分科会の尾身茂会長は「このまま感染が拡大すれば、早晩、医療の逼迫(ひっぱく)が起きてしまう」と強い危機感を示す。お盆や夏休みで人の移動も活発化する。地方への感染拡大は避けねばならない。

 兵庫では重症病床の使用率が10%台前半と医療の負担は改善されている。ただ、きのうは50人の新規感染者が明らかになった。50人台となるのは6月10日以来だ。変異株の拡大も見込まれ、予断は許さない。

 重点措置の延長を巡って、政府は兵庫、京都と大阪とで異なる判断をした。同一生活圏にある関西3府県の足並みがそろわないことによる影響が懸念される。

 重点措置の解除を受け、兵庫県は飲食店の営業時間短縮の緩和を決めた。土日の酒類提供も県内全域で解禁する。感染再拡大の兆候を見逃さないよう、慎重に対応すべきだ。

 東京五輪は緊急事態宣言下での異例の開催となる。1都3県は無観客とする方針に転じたが、開催することによる感染拡大のリスクをどう防ぐか。首相は、国民の理解を得られる説明を尽くさなければならない。

社説の最新
もっと見る
 

天気(9月27日)

  • 29℃
  • ---℃
  • 10%

  • 29℃
  • ---℃
  • 10%

  • 29℃
  • ---℃
  • 10%

  • 29℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ