社説

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 みずほフィナンシャルグループ(FG)がまたシステム障害を起こした。8月だけで2回、今年に入って計6回に上る。しかも、6月に再発防止策を発表したばかりだ。あまりのお粗末さに、あきれるほかない。

 不信を強める顧客は多いだろう。失態を繰り返すのは、システム運用の問題にとどまらず、企業統治が十分に機能していない証左といえる。

 経営の在り方や組織の体質を抜本的に見直さねばならない。社会インフラである金融システムを担う自覚そのものが問われていることを、経営陣は肝に銘じるべきだ。

 8月20日午前、みずほ銀行とみずほ信託銀行の窓口で出入金などができなくなった。機器が故障し、バックアップ装置への切り替えもうまくいかなかったという。23日には、みずほ銀行の約130台の現金自動預払機(ATM)が一時止まった。

 システム障害を完全に防ぐのは難しい。金融庁によると、金融機関の障害は2019年度に約1500件あった。重要なのは、防止策に加え、発生した場合に顧客への被害をいかに抑えるかである。

 ところが、みずほFGと傘下の銀行は危機管理体制がずさんな上に、「顧客目線」を著しく欠いていた。

 今年2~3月に連発した障害では不具合の報告が相次いでもATMを動かし、利用客を長時間放置して批判された。にもかかわらず、8月のトラブルも公表は遅く、20日は開店30分前、23日はシステム復旧後だった。

 第三者委員会が6月にまとめた調査報告書は、問題の根底には責任回避のため有事に声を上げるのをためらう企業風土があると指摘した。

 これを受け、みずほFGは人事評価制度の見直しや外部人材の登用などの再発防止策を打ち出したが、社内処分は役員報酬の減額にとどまる。経営の中枢を変えることなく抜本改革ができるのか、懸念がぬぐえない。

 8月のトラブルは、金融庁が2~3月の障害を踏まえた検査をしているさなかで起きた。監督官庁の責任も厳しく問われるべきだ。金融庁はみずほFGの実態を徹底調査し、確実な是正につなげねばならない。

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