社説

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 バスケットボール男子のBリーグは、今秋始まる来季の資格審査で、兵庫に本拠を置く2部(B2)の西宮ストークスに最上位となる1部(B1)に昇格できるライセンスを与えた。今季のリーグ戦は大詰めを迎えている。昇格が決まれば地元で最高峰のプレーに触れることができるだけに勝ち抜いてほしい。

 ストークスは、神戸市の新港第2突堤再開発事業で2024年度完成を目指す1万人規模収容のアリーナに本拠を移す。この計画により、「5千人以上収容のアリーナ確保」などとするB1加入ライセンス交付要件を、昨年に続いて満たした。

 昨季はB2で西地区首位になったが、昇格を懸けたプレーオフで敗れた。今季も西地区で首位争いを続けている。今後、東西両地区の計8チームで争うプレーオフに進み、要件を満たせばB1昇格を果たす。

 Bリーグは16年の発足以降、参加クラブ数や観客動員の増加など順調に発展してきた。19年には千葉の富樫勇樹選手が年俸1億円に達するなど、人気と実力を兼ね備えた選手もいる。

 首都圏などのB1強豪チームでは、新型コロナウイルス禍の中でも女性やファミリー層の支持を集めている。野球やサッカーと比べ、コートと客席との距離が近く、選手と触れ合う感覚で観戦できるのも魅力だ。

 各地でアリーナの整備が進み、女性や家族連れが訪れやすい環境が整った点も大きい。神戸のアリーナもバリアフリーを意識した最新の設備となる。都心三宮から程近く、海を望む立地はスポーツツーリズムなどの可能性も秘める。

 一方、コロナ禍で制限があるとはいえ、ストークスの平均観客数は今季も約800人と伸び悩む。早く1部に昇格し、ファンを増やして収益も上げる構造にしていかなければならない。事業基盤をより強固にするにはチーム強化や運営面で、さらに知恵を絞る必要がある。

 バスケットボールは、兵庫県内の高校スポーツの登録者数ではサッカーに次いで多いという。この裾野の広さを生かし、青少年の育成支援など、より地域に密着した活動に力を入れ、活性化につながる存在になってもらいたい。

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