12日午前8時ごろ、兵庫県洲本市池内の山林で、わなにかかったイノシシを仕留めようとしていた南あわじ市の無職の男性(79)が、わなが外れたイノシシにかみつかれた。男性はそのまま近くの用水路に引きずり込まれ、消防隊員らが救助したが、搬送先の病院で死亡が確認された。
同県警洲本署によると、男性は仲間1人と狩猟中だった。電気ショックで気絶させて仕留めようと近づいた際、イノシシが暴れて足にかかっていたワイヤが切れた。イノシシはそのまま男性に突進して左ふくらはぎにかみつき、100メートルほど先の用水路に引きずり込んだという。
用水路は深さ約1メートル、水深約25センチで、イノシシが男性を放さないため、通報で駆け付けた消防が放水して追い払ったという。男性は救出された際、既に心肺停止の状態だった。
イノシシは体長約1メートル、体重70キロほどで、そのまま山中に逃げ込んだという。同署はパトカーなどで周辺を警戒し、住民に近づかないよう呼び掛けている。洲本市も「ひょうご防災ネット」とケーブルテレビなどで注意を促した。
近くに住む70代女性は「仕事でよく用水路の前の道を通るが、朝夕は頻繁にイノシシやシカを見かけた。まさか死亡事故が起きるなんて」と声を震わせた。