10日午後2時すぎ、兵庫県加東市黒谷の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で、木造5階建ての立体迷路施設「カラクリ迷宮のお城」3階の床が抜け、親子ら3組7人が2階に落ち、うち6人が重軽傷を負った。県警加東署などによると、男女2人が腰の骨を折る重傷。6人とも命に別条はないという。同署などは床板が腐食していた可能性もあるとみて、業務上過失傷害の疑いで調べる。
同署によると、大阪府東大阪市のパート女性(27)と、同市の会社員男性(24)が腰椎圧迫骨折の重傷。パート女性の夫(27)は頸椎捻挫と左半身打撲、会社員男性の妻(27)は左腕打撲、女性(38)と女児(7)の親子がそれぞれ両足首捻挫、左肘打撲の軽傷を負った。女児(1)は親に抱かれてけがはなかった。
6人は3階にいた際、床を支えていた梁が外れ、約2・4メートル下の2階に落ちたとみられる。2階に人はいなかった。床は踏み板を並べて作られ、板24枚が長さ約2・3メートル、幅約1・08メートルにわたって落下した。
同署などは11日午前から現場検証を行い、経年劣化の有無や施設の点検状況などを調べている。
迷路は千葉県のメーカーが製造し、2013年4月にオープン。同社によると、約1年後の14年5月に増築したという。群馬県嬬恋村の軽井沢おもちゃ王国では同年9月、このメーカー製の同種の迷路で今回と同様に床が落ちる事故が起き、2人が軽傷を負った。
東条湖おもちゃ王国によると、10日は約2千人が来園。11日正午すぎ、同園の松崎直人支配人が報道陣の取材に応じ、「けがをされた方には誠心誠意対応している。このたびは多くの方にご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」と謝罪した。同園は14日まで臨時休園する。
同園は前身の遊園地「東条湖ランド」から00年に名称を変え、おもちゃのテーマパークとして開園した。
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【東条湖おもちゃ王国】前身の遊園地「東条湖ランド」から2000年に名称を変え、おもちゃのテーマパークとして客層を低年齢の子どもとその家族に絞って開園。兵庫県内陸部のリゾート地、東条湖のそばに立地し、木やブロックなど多彩なおもちゃに触れられる館が複数あるほか、関西最大級の巨大立体迷路、大観覧車などのアトラクション、大規模プールを備える。