兵庫県の最高峰・氷ノ山(1510メートル)で30~70代の男性5人が遭難し、4人が救助された事故で、兵庫県警のヘリコプター搭乗員が2日午前、一人だけ残されていた男性会社員(66)を発見したが、死亡が確認された。亡くなった男性の息子が同日午後、神戸新聞社の取材に応じ、「ずっと行方不明のままでいるよりも、対面できたのが良かった。でも、まさか父が亡くなるなんて」と沈痛な面持ちで語った。
息子によると、男性は30年以上のキャンプ歴を持ち、月1回は近畿圏を中心に出掛けていたという。「冬の方がキャンプは楽しい」とも話していたという。
昨年12月25日朝、「キャンプに行くよ」と家族に言って出掛けた。息子は寒波到来の予報は知っていたが、「ここまで降るとは思わなかった。父も想定外だったかもしれない」と悔やんだ。
28日午後に4人が救出されたことを知った際も、「捜索が難航して、ずっと落ち着かない状態だった」とする一方で、「父の友人らから励ましの言葉をもらったのが心強かった」と話した。
息子は「父の捜索に尽力してくださった警察や消防には感謝したい。救出された4人は心苦しいかもしれないが、無事だったことは良かった」と話した。