兵庫県宝塚市長寿ガ丘の山林で全裸の女性の遺体が見つかった事件。周辺には住宅街が広がり、県警が現場付近に規制線を張って捜索を続けると、住民らからは「早く身元が分かってほしい」「物騒な事件ではないと祈りたい」と不安がる声が相次いだ。
住宅街は勾配のある山林の一部を切り開いて造成したとみられ、昔ながらの戸建てや新築が並ぶ。遺体の発見現場は、民家を挟んだ上り坂の道路を進んだすぐ先にあり、誰でも簡単に入ることができる。
ただし、住民の会社員男性(52)によると、一帯はけもの道こそあるが、やぶで覆われ、普段は人が立ち入る場所ではない。山林内には荒廃した民家のガレージのようなものもあり、マットレスやソファが捨てられ、不法投棄禁止を呼び掛ける県の張り紙もあった。
男性は「女性が裸で亡くなっていたというのがとても気になる。不気味なので、何が起きたのか早く分かってほしい」と話した。
また、近くに住む60代の主婦は「昨日から警察官が来て騒がしく、大きな事件が近くであったんじゃないかと思うと不安だ」と眉をひそめた。
現場付近では県警の鑑識活動が終日続き、捜査員らが警察犬を連れて規制線を出入りしたり、各民家を訪ねて事情を聴いたりして物々しい雰囲気となった。
現場は阪急宝塚駅から西へ武庫川を挟んで約800メートル。甲子園大学(宝塚市紅葉ガ丘)の北約300メートルで、遺体を発見した男性は現場近くにある「不動の滝」を目指し、近くのハイキングコースを探している途中だったという。