5日午後2時20分ごろ、神戸市北区鈴蘭台東町にある特定抗争指定暴力団神戸山口組の井上邦雄組長(73)宅で、付近を警戒していた神戸北署員から「発砲音が聞こえた」と110番があった。捜査関係者によると、門の付近で複数の弾痕や薬きょうが見つかった。けが人は確認されていない。
110番から3分後、組長宅から西約1キロの鈴蘭台交番に回転式拳銃1丁を持った男が出頭。同署は銃刀法違反(所持)の疑いで、岐阜市の無職の男(49)を現行犯逮捕した。容疑を認め、発砲をほのめかす供述もしているという。
捜査関係者によると、男が使用したとみられる車を押収。兵庫県警は特定抗争指定暴力団山口組と神戸山口組の抗争の可能性もあるとみて、調べている。現場は神戸電鉄鈴蘭台駅から東に約1キロの住宅街。
組長宅付近にはパトカーや捜査車両が集まり、物々しい空気に包まれた。近くに住む40代男性は小学生の息子と散歩で通った際、鉄扉に少なくとも5~6発の穴が開いていたのを見たという。「暴力団関係者の家だと聞いていたが、事件が起きるなんて。通学路も近いので怖い」と話した。
5月には神戸市中央区の飲食店で、消火器をまき散らした山口組系組幹部らが逮捕され、「神戸山口組の組長が関係する店なので狙った」と供述。大阪府豊中市では同月、神戸山口組の有力団体「宅見組」の組長宅に車が突っ込む事件もあった。