実態のない会社名義で「みなと銀行」(神戸市)から1億円以上の融資金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた会社員の男(44)=大阪市都島区=と無職男(31)=兵庫県尼崎市=の初公判が5日、神戸地裁(岡本康博裁判官)であった。2人は起訴内容を認めた。
起訴状などによると、2人は元行員の男(31)=詐欺罪で起訴=らとともに、昨年2~3月に同行伊丹支店の職員に対し、会社員の男が取締役を務める清掃会社の経営実態を偽った決算報告書を提出するなどして約7971万円を詐取。同年8~9月にも会社に多額の資産があるように見せた虚偽の書類を渡すなどし、3998万円をだまし取ったとされる。
冒頭陳述で検察側は、無職男が知人である会社員の男を誘って取締役に就かせたとし、清掃会社は休眠会社の社名を変更したものだと指摘。また、みなと銀行の担当者らがこの会社を優良な経営状態と信じ、担当者らから追加融資を提案していたとも説明した。