神戸地検は11日、社員11人に月最長342時間に及ぶ違法な時間外労働をさせたとして、労働基準法違反の疑いで書類送検されていた三田市の人気洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」の運営会社と男性社員2人を不起訴処分(起訴猶予)とした。地検は「諸般の事情を考慮した」と説明している。
不起訴処分となったのは同社と男性社員(36)、男性社員(40)。昨年1月16日~2月15日、ロールケーキなどの製造を担う社員11人に対し、労使協定(三六協定)で定めた上限を超え、違法な時間外労働をさせた疑いで、伊丹労働基準監督署に書類送検されていた。
同社によると、同労基署からは2018年1月と昨年1月の計2回、是正勧告を受けていたという。同社広報室は「昨年末に是正は完了したが、改善すべき点はたくさんある。迷惑をおかけしたことに向き合い、お客さまに喜んでもらえる店作りをしたい」とした。