27日、兵庫県加古川市で起きた強盗殺人事件で、現場にはパトカーや警察官が詰め掛け、閑静な住宅街は騒然となった。近隣住民によると、強盗殺人などの容疑で逮捕された浦一生容疑者(31)は留守がちで、あまり近所づきあいがなかったという。一方、亡くなった女性(87)は、登校する小学生に声をかけるなど近所の人たちに親しまれ、その死を悼む声が相次いだ。
女性と家族ぐるみで親交のある男性(82)は、4日前に女性宅を訪ねたという。「夫婦で仲良く談笑している姿がほほえましかった」と話す。「近隣トラブルを抱えるような人ではなく、あんなにいい人がどうして被害に」と表情を曇らせた。
近くに小学校の登校班の集合場所があり、女性は子どもたちを見守り、あいさつを交わしていた。その姿をよく見掛けたという近所の40代女性は「地域に犬が迷い込んだ時には飼い主探しを手伝ってくれる優しい人だった。あまりにひどい」と憤る。何度か会話をしたという70代女性は「はきはきとした話し方で、とても元気な人だったのに」と悲しんだ。
近隣で浦容疑者について知る人はあまりいない。この地域の町内会で役員を務めたことがあるという60代女性は昨年5月、自治会費を集めるために浦容疑者宅を訪ねた。しかし、浦容疑者は「考えておきます」とだけ答えたという。「郵便受けがいっぱいになっているのをよく見掛けた。とにかく家にいない印象だった」と話す。