兵庫県加東市の池で昨年7月、同市の男児=当時(2)=を殺害したとして、殺人罪に問われた祖母(51)の裁判員裁判初公判が21日、神戸地裁姫路支部(佐藤洋幸裁判長)であった。被告の祖母は「その通りです」と起訴内容を認めた。
起訴状などによると、昨年7月21日夜から22日午前までの間、男児を抱きかかえるなどして同市黒谷の五所ケ池に入水し、殺害したとされる。死因は急性窒息死だった。
冒頭陳述で検察側は、被告と娘婿との確執が背景にあったと指摘。被告はいさかいの絶えない娘夫婦に代わり、男児を引き取って世話をしており、娘婿の生活態度などに不信感を募らせ、「(娘婿に)関わられることのない世界に行きたい」と無理心中を図ったとした。
検察側は無関係な孫を巻き込んだ身勝手な犯行とした一方、弁護側は悪質性は低く、当時の精神状態を考慮する必要があると主張した。