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兵庫県警察本部=神戸市中央区
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兵庫県警察本部=神戸市中央区

 スピリチュアルグループのメンバーに謝罪を強いたなどとして、兵庫県警捜査1課と網干署などは22日、強要の疑いで、リーダー格の無職女(71)=たつの市=と、カイロプラクターの息子(45)=姫路市、メンバーの無職男(64)=同市=を逮捕した。同課によると、グループは「ヒーリングカイロトリニティ」と名乗り、西播地域を拠点に霊的な治療行為などを実施。100人弱が所属しているといい、県警が実態解明を進めている。

 3人の逮捕容疑は、メンバー女性(67)が居場所が分からなくなった脱退者の親族と会い、それを報告せずに隠していたとして問題視。11月2日深夜から翌3日未明にかけて、息子宅で女性に対し「裏切り行為だ」などと脅し、謝罪して責任を取る旨の誓約書を作って読み上げさせる行為を強要した疑い。同課は3人の認否を明かしていない。

 同課によると、グループはリーダー格の親子が主宰。2007年ごろから姫路市内にある息子宅兼店舗で、頻繁に会合を開き、手をかざして患部を治す「ヒーリング」と称する施術をメンバーに1回5千円で施すなどしていた。

 同課がメンバーらから聞き取った情報では、グループ内では女が絶対的な権力を持ち、隠し事は厳禁。「家族全員で(活動に)参加しなければ幸せになれない」と説き、家族の理解が得られない場合は縁を切るよう求めていたという。

 女は「神様とつながるため、地球や個人の次元を上げる必要がある」と唱え、「悪い霊が付いている」と指摘されたメンバーは「浄化」という名目で、集団に囲まれて頬を平手打ちにされたり、蹴り上げられたりするなどの暴行を加えられたとの情報もある。

 こうした暴行は、グループ内で「ひきあげ行為」と呼ばれ、誓約書を書かされた女性も「自分も『ひきあげ』をされるのではと恐怖を感じた」と話したという。

 霊感商法に類似した物品も取り扱い、「徳を積むため」や「神様とつながるため」と称して水晶やネックレス、羽毛布団などをメンバーに販売あっせん。中には数百万円の高額商品もあったとされる。

 購入は「高い次元」のメンバーによる「ハンドリング」という行為によって判断され、指でつくった輪っかをつないだり、離したりする感覚の違いで決められていたという。

 女らはグループの脱退希望者に集団暴行し、軽傷を負わせたとして、今月1日に傷害容疑で逮捕されていたが、神戸地検姫路支部が22日、不起訴(起訴猶予)処分にした。

 

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