勤務先の企業秘密を不正取得したとして、不正競争防止法違反(営業秘密侵害)罪に問われた化学メーカー「ケイプラスト」(愛知県瀬戸市)の社長の男(45)の判決公判が24日、神戸地裁であった。岡本康博裁判官は懲役2年、執行猶予4年、罰金80万円(求刑懲役2年、罰金100万円)を言い渡した。
判決によると、男は2020年11月30日、当時勤務した化学品メーカー「モレスコ」(神戸市)から貸与されたパソコンを自宅で使用し、製品配合情報などのファイルデータ71点をオンライン上のデータ保管サービスを通じて複製。モレスコ社の営業秘密を入手した。
岡本裁判官は、男の行為を「被害会社に多大な経済的不利益をもたらしかねない悪質なもの」などと指摘し、反省態度などを踏まえ、執行猶予付きの判決にしたと説明した。
判決では罰金刑も言い渡しており、岡本裁判官は「このような犯行が経済的に割が合わないことを明らかにするため」と理由を述べた。