兵庫県加東市発注の公共施設改修工事の入札情報を業者に漏らしたとして、兵庫県警捜査2課は26日、官製談合防止法違反などの疑いで加東市生活環境課の男性課長(55)を逮捕した。公競売入札妨害容疑で、工事を落札した市内の土木建築会社社長の男(48)=同県西脇市=も逮捕した。
男性課長の逮捕容疑は市管財課長を務めていた2020年6月24日、市が発注した「旧滝野庁舎改修工事」の制限付き一般競争入札に関し、入札額の下限となる「最低制限価格」を社長の男に漏らして、工事を落札させた疑い。同課は2人の認否を明らかにしていない。
同課によると、入札には社長が逮捕された土木建築会社を含めた市内の建築会社など4社が参加。同社が最低制限価格をわずか11万円上回る7497万円で落札した。男性課長は20年4月から1年間、管財課長を務めており、入札や契約業務を取り扱っていた。
捜査2課は26日、逮捕した社長の土木建築会社の関係先を捜索し、工事資料などを押収。情報を教えた見返りに金品などのやりとりがなかったかについても慎重に調べる。
同社が落札した改修工事は旧滝野庁舎を観光施設化する内容で、21年3月に庁内にトリックアートを展示する「加東アート館」が開館している。