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気道確保用のチューブを誤挿管する事案が起きたことを謝罪する尼崎市消防局の(右から)前田秀樹企画管理課長と渡辺賢一救急課長=尼崎市役所
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気道確保用のチューブを誤挿管する事案が起きたことを謝罪する尼崎市消防局の(右から)前田秀樹企画管理課長と渡辺賢一救急課長=尼崎市役所
気道確保用チューブの挿管方法を説明する尼崎市消防局の渡辺賢一救急課長(右)ら。あおむけの状態で上側の気管に入れるところを、下側の食道に入れてしまっていた=尼崎市役所
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気道確保用チューブの挿管方法を説明する尼崎市消防局の渡辺賢一救急課長(右)ら。あおむけの状態で上側の気管に入れるところを、下側の食道に入れてしまっていた=尼崎市役所
神戸新聞NEXT
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 兵庫県尼崎市消防局は10日、救急事案で出動した救急隊長で50代の男性救急救命士が、心肺停止状態の70代の男性に対し、酸素を送り込むチューブを気管ではなく食道に入れてしまうミスがあったことを明らかにした。男性は通報から約4時間後に死亡が確認された。

 男性の死因は溺死で、死亡とミスの因果関係は不明だが、同市消防局は遺族に謝罪するとともに、会見で「市民の皆さまの信頼を損なうことになり、おわびする」と陳謝。今後、専門家で構成する協議会で、再発防止に向けた事実関係の詳細な調査や検証を行い、処分についても「厳正に対応する」としている。

 市消防局によると、救急隊は2月3日午前9時半ごろ、男性の家族から「浴槽の中で意識を失っている」との通報で出動。到着時、男性は心肺停止状態だったため、心肺蘇生をしつつ、気管挿管の資格を持つ隊長が、医師の指示の下でチューブを挿管。その後、搬送先の病院で医師が誤挿管に気付いたという。

 市消防局の手順書では、挿管後に胸の動きや胃の音、モニターなどで正しく挿管されているかを確認するよう定めている。だが、チェックリストには最初の挿管時のみで、搬送中の項目にはチェックが入っていなかったという。死亡した男性は水を飲んでおり、隊長は「チューブ内に逆流した水の吸引や蘇生処置を行っていたのでチェックができなかった」とし、同乗した30代の男性隊員も「モニターの数値は低かったが吸引措置に伴う誤表示だと思い、その他のチェックはせず心臓マッサージをしていた」と話したという。

 同消防局では昨年1月にも食道に気道確保用チューブを誤挿管する事案があり、研修を実施していたが、今回誤挿管をした隊長は勤務のため、参加していなかったという。同消防局は研修を全員参加とするなど、内容や態勢を見直す方針。

 

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