銀行協会職員などと偽ってキャッシュカードや通帳をだまし取ったとして、兵庫県警神戸西署は15日、詐欺の疑いで、住所不定、無職の男(23)を逮捕した。同署によると調べに対し、「昨年夏ごろから特殊詐欺を何件も繰り返しており、どの件で逮捕されたのか分からない」と供述しているという。
逮捕容疑は昨年8月10日、何者かと共謀して銀行協会職員などを名乗り、「ご主人のカードが使われている。提出してください」などとうその電話をかけ、神戸市西区の被害女性の自宅を訪問。女性と夫名義のキャッシュカード2枚と通帳をだまし取った疑い。
同署によると、男は受け取ったキャッシュカードを持参した茶封筒に入れた後、「のり付けをしたい。のりはありますか」と尋ね、女性に取りに行かせた隙に、用意したトランプのカード2枚入りの封筒とすり替えた。それを渡し「警察が取りに来るまで保管してください」と言って立ち去ったという。
翌日、家族の指摘を受けて不審に思った女性が交番に相談し、被害が判明した。口座の凍結によってATMに吸い込まれた通帳から、逮捕された男の指紋が検出された。三つの口座から計約320万円が引き出されていたという。