兵庫県上郡町で2021年12月、同居する母親=当時(88)=を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職の次男(50)に対する裁判員裁判の初公判が20日、神戸地裁姫路支部(佐藤洋幸裁判長)であった。次男は「その通り」と起訴内容を認めた。
起訴状などによると、同年12月11日深夜、上郡町の自宅トイレで、母親の首を果物ナイフ(刃渡り約10センチ)で複数回突き刺すなどして失血死させたとされる。
冒頭陳述で検察側は、統合失調症を患っていた次男は体の悪い母親と姉を1人で介護していたが、病状が悪化しうつ状態になり、母親と無理心中を図ろうと考えたと指摘した。
検察側は、犯行時に使う軍手を用意するなど計画性があるとした一方、弁護側は「正常な判断ができていなかった」などとして、当時の精神状態を考慮する必要性があると主張した。