神戸市垂水区で昨年、生後約3カ月の次女に暴行して大けがをさせたとして、兵庫県警捜査1課と垂水署は28日、傷害の疑いで、同市西区の無職の女(25)を逮捕した。神戸市がネグレクト(育児放棄)の疑いもあるとみて対応していたが、次女は約1カ月後に死亡した。県警は死亡の経緯や、日常的な虐待の有無を調べる。
逮捕容疑は昨年8月31日から9月6日ごろの間に、当時住んでいた同市垂水区の集合住宅で、生後約3カ月の次女の右太ももに圧力を加え、脚の骨を折る全治約3カ月の重傷を負わせた疑い。
女は当時、元夫(28)と次女と3人暮らしだった。調べに「何も言いたくありません。娘のけがについては何もしていません」と容疑を否認しているという。
市家庭支援課によると、2021年10月に女から垂水区役所に相談があり、保健師らが定期的に訪問するなどしていた。昨年9月には次女に体重の増加不良が見られ、市こども家庭センター(児童相談所)と対応していたという。
捜査1課によると、女は同月下旬に2度、脚の異変を理由に次女を病院で受診させたが、骨折は判明しなかったという。
翌月6日午後、女から「子どもの様子がおかしい」と垂水区役所に連絡があったため女性職員(53)が駆け付けると、2人が意識不明の状態でリビングの床に倒れていた。女の意識は戻ったが、次女は翌7日午前に死亡が確認された。死因は一時的に心肺が止まったことに伴う低酸素性虚血性脳障害だった。
脚の骨折のほか、頭や腰に皮下出血などが見つかったが死因には直結しないことから、県警は次女が倒れた経緯も調べる。
近所に住む70代の女性は次女が救急車で運ばれるのを見たといい、「昨年末ごろに『お子さんの体調は』と尋ねたら、(女は)『病気で亡くなった』と話していた」と振り返った。