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連日売り切れの大盛況=三田市下井沢
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連日売り切れの大盛況=三田市下井沢
食パンに合うように厳選したジャムなども販売=三田市下井沢
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食パンに合うように厳選したジャムなども販売=三田市下井沢
焼きたてはもちろん、冷めてもしっとりふわふわ=三田市下井沢
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焼きたてはもちろん、冷めてもしっとりふわふわ=三田市下井沢

 兵庫県三田市下井沢の県道沿いにオープンした店が連日大にぎわいだ。足を組んで大きく笑う人の絵と、地面に書かれた店名「天才わっはっは」の文字。奇抜な外観だが実はここ、高級食パンの専門店なのだ。市内を中心に宅配弁当を手掛ける企業が新たなジャンルへの挑戦に乗り出した。(喜田美咲)

 ミルクの甘みが優しいプレーン食パン「ご機嫌モーニング」(2斤、税抜き800円)と、みずみずしいサンマスカットレーズンをふんだんに使ったレーズン食パン「踊る葡萄(ぶどう)」(同980円)。プレーンを使った卵やポテトサラダのサンドイッチなど、こぢんまりとした店舗ながら、バラエティーに富んだ商品が並ぶ。

 運営するのは、デイサービス施設や幼稚園へ給食を提供する川上食品。三田市内のほか、神戸市や同県丹波篠山市などに平日は毎日500件ほど、地元産の食材を取り入れ、添加物の少ない弁当を届けている。

 親の代から営み「安さが自慢なのに、子どもの頃は友人らに『安いのは質が悪いことだ』と勝手に決めつけられて、よくからかわれたんです」。社長の川上晶弘さん(45)が言う。

 当時はお米よりパンの給食のほうが、好きな子どもも多かった。学校で購買される菓子パンに行列ができるのもうらやましかった。そんな悔しさがバネになり、お弁当の味や質を磨きながら「いつか高級パンも作って見返してやろう」と考えるようになった。

 各地に増えてきている食パンの専門店を食べ歩き、神戸市中央区にある食パン店「わたし入籍します」などをプロデュースする「ジャパンベーカリーマーケティング」(横浜市)の岸本拓也プロデューサーに協力を依頼した。インパクトの強い店名に引かれたのもあるが、店舗ごとにオリジナルの味わいのパンを開発しているところに魅力を感じた。

 プレーンの食パンには三田市長坂の「山田牧場」でとれた牛乳を使用。乳脂肪分が高く、しっとりとして濃厚な甘みが出るため、バターの量で重くなりすぎないように調節した。甘みがあるので、これからの季節はイチゴを使ったフルーツサンドの販売も計画中だという。

 サンドイッチには、お弁当で培った技術や地元企業とのつながりを生かし、三田産の肉や野菜を使った総菜を挟んだ。そのほか、パンに合うように厳選したピーナツバターやミルクジャム、酸味を抑えて飲みやすいコーヒーも合わせて販売する。

    ◇

 店名には言われるとうれしい「天才」と、からかわれた過去を笑い飛ばす「わっはっは」を組み合わせた。今後はさらに地域住民に親しんでもらえるよう「パスカルさんだ一番館」(三田市川除)に置いたり配達を受け付けたりすることも考えている。

 川上さんは「春になったら武庫川の桜を見ながらパンとコーヒーなんてのもおすすめ。こだわりの詰まったパンをぜひ一度、味わってみてください」と話す。

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