兵庫県三田市と神姫バス(同県姫路市)は17日、誰もが移動しやすい社会を目指し、次世代の交通手段を開発・導入するための協定を結んだ。市は先端技術を駆使して快適な生活環境をつくる「スマートシティー」の実現を掲げており、交通分野でいち早く市民に効果を実感してもらう。車体や運行システムの開発業者にも参加を呼びかけ、2021年度中に協議会のような組織を立ち上げる。(高見雄樹)
神姫バスは今夏、ウッディタウンで兵庫県内初となる中型自動運転バスの実証実験をした。今後は市などと共同で、ニュータウンに住む高齢者の移動手段として、ゴルフカート型の電動車両「グリーンスローモビリティ」の導入などを検討する。農村部では路線バスの空きスペースに青果物を積み、直売所に運ぶ「貨客混載」も計画する。
22年度ごろまでにこうした実証実験に取りかかり、問題点を解決しながら複数の地域に導入する。既存の交通機関と組み合わせながら、ワンストップで移動のニーズが満たせるような仕組みを目指している。
同社が「スマートシティー」を旗印に、自治体と協定を交わすのは初めて。同日、長尾真社長(61)が市役所を訪れ、森哲男市長と締結式に臨んだ。
人口減少によって、バスの乗客減も進んでいる。同社はバス運転手が荷物の配送や植栽管理など、運転以外の業務を担う検討も始めた。長尾社長は「バス会社ではなく、まちづくりに取り組む会社を目指している。グループには介護や保育、観光事業もあり、総力を挙げてお役に立ちたい」と語った。
森市長は「一気に進む高齢化を見越し、快適な移動環境づくりを目指す。一緒になって一日でも早く実現したい」と応じた。









