「福は内、鬼も内~」。今年は2月2日が節分。兵庫県三田市では三田藩主の「九鬼家」に配慮し、豆をまく時の掛け声は鬼を「内」へ呼び込む風習がある。それでは、数々の民話が残る三田に鬼退治の伝承はないのだろうか。調べると、希少な一つがあった。京都・大江山での源頼光の鬼退治。人気漫画「鬼滅の刃」とコラボした歌舞伎の演目としても話題を呼び、まさに没後千年の節目を迎える頼光の物語に、実は三田も関わっていた。(小森有喜)
「豆まきでも九鬼の殿さまに遠慮するのに、鬼退治の民話は残るのだろうか」
そう考えて市内各地の民話を集めた「三田の民話100選」をめくると、確かに九鬼家が藩主だった江戸時代に、鬼が退治される話は全くない。しかし、時代をさかのぼると、一つだけあるのが頼光伝説だ。
時は平安時代。清和源氏の祖・源満仲の長男頼光が大江山の鬼退治を命じられる。金太郎伝説のモデルといわれる坂田金時ら四天王を引き連れ、立ち寄ったのが三田市下槻瀬の「深谷山蓮花寺」だった。観音像を見つけて武運を祈ったところ、化身のような老人が現れて成功に導いてくれたという。
「今は『秘仏』にしているんです」。蓮花寺によると、その観音像は今も残っていた。高さ約80センチの木像で、公開していないが、県の重要文化財に指定される二重塔「多宝塔」に安置している。
目や口は彫られておらず、両手を胸の前で合わせているように見えるらしい。「一願成就仏」とあがめられ、戦国時代に本堂が燃やされても、人々が井戸に隠して守ってきたと伝わる。
◇
頼光の鬼退治は歌舞伎の演目にもあり、京都・南座は昨年11月、「鬼滅の刃」と世界観が似ているとして、四天王を漫画の登場人物に置き換えた特別演目を上演して話題になった。そして鬼滅の刃は発行部数が1億2千万部を超え、アニメ映画は興行収入歴代1位の記録を伸ばし続けている。
こうした“鬼滅効果”もあってか、頼光らを祭る川西市の「多田神社」では、頼光が鬼退治に使ったと伝わる宝刀「鬼切丸」を見たい-との問い合わせが多いという。
「頼光の没後千年でもあり、公開できるように準備を進めています」と福本賀範宮司は話す。
ただ、三田の一願成就仏は知る人ぞ知る話で、知名度はいまひとつ。「鬼」への注目が三田にも波及し、まちを活気づけてくれないか。そう思って祈願した。
「福は内、鬼も内~」
■半身像の化身が倒し方指南
平安時代、丹波の国の大江山に鬼がいた。村を荒らし、都で女や子どもをさらっていく。心を痛めたみかどは、源頼光に鬼退治を命じた。
頼光一行は総勢6人。途中、下槻瀬の蓮花寺に詣でると、観音菩薩の木像が目に入った。上半身だけで、顔はまだ彫られていない。頼光たちは、この半身像に祈願して出発した。
大江山に入ると激しい雨が降ってきた。近くの洞穴に飛び込むと、白髪の老人が座っていた。
「鬼退治ですな」
頼光は何もかも知っているような感じに驚き「何か秘策はないか」と尋ねた。
「鬼の大将は酒呑童子といい、いつも酒を食らっている」と老人。山桃で作った酒と眠り薬を手渡し「鬼はこの酒を気に入り、何杯も飲む。そこで薬を入れるのじゃ」と教えてくれた。
頼光たちは野武士と偽り、鬼のすみかで大将に山桃の酒を差し出した。何杯も飲み始め、眠り薬をひそかに入れると、ぐっすり眠り込んだ。一行は刀で斬りつけ、とどめを刺した。
頼光は洞穴の老人のことが気になっていた。蓮花寺で祈願した半身像の化身ではないかと思い至り、再び蓮花寺に詣で、半身像に鬼退治の報告をした。(「三田の民話100選」から)

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