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奈緒さんや長男との日々を語る清水健さん=三田学園
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奈緒さんや長男との日々を語る清水健さん=三田学園
「ありがとうと声を掛け合って、一緒に頑張ろう」と話す清水さん=三田学園
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「ありがとうと声を掛け合って、一緒に頑張ろう」と話す清水さん=三田学園
涙ぐむ生徒もいた=三田学園
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涙ぐむ生徒もいた=三田学園

 6年前、29歳だった妻奈緒さんを亡くしたフリーアナウンサー清水健さん(45)がこのほど、三田学園(兵庫県三田市南が丘2)で講演した。子育てをしながら闘病生活を支え、多くの人に励まされた経験から「どんなにしんどくても1人じゃない。今を生きる時間を大切に、一緒に頑張ろう」とメッセージを送った。(喜田美咲)

 同校ではこの1年、長引く新型コロナウイルス禍でマスクを着けて過ごす時間が増えたことなどから、何げない一言を巡って生徒同士がトラブルになる機会が目立つようになっていた。改めて、相手を思いやる大切さを生徒らに知ってもらおうと、同校と保護者でつくる育友会が清水さんの講演を企画。中学3年生と高校1、2年生が聴講したほか、保護者もオンラインで参加した。

 清水さんはこの日、「大切な人の『想い』とともに」と題し、妻、長男と過ごした3人の時間や、奈緒さんをみとった後の暮らしについて話した。

 大阪府出身で2001年に読売テレビに入社。09年には夕方の報道番組「かんさい情報ネットten!」のキャスターを任された。当時32歳。大役にプレッシャーを感じていた自分を支えてくれたのが、スタイリストだった奈緒さんと話す控室の時間だった。「(今日の僕)大丈夫かな」「大丈夫、大丈夫ですよ」。2人は交際を始め、13年に結婚。翌年の3月、妊娠が分かった。幸せはずっと続くと思っていた。

 その直後、奈緒さんの乳がんが判明。進行が早い「トリプルネガティブ」だった。治療を受けながら10月に出産。1週間後、骨への転移が確認された。

 母として生きるため、高熱が続く抗がん剤治療にも一切弱音を吐かなかった奈緒さん。しかし体が耐えきれなくなり治療を中断。15年2月、息を引き取った。

 「もっと自分にできることはなかったか」。清水さんは自問自答した。つらい治療を頑張ってくれたこと、ずっと笑顔でいてくれたこと。感謝はたくさんあったのに、奈緒さんが昏睡(こんすい)状態になるまで「ありがとう」と言えなかった。口にすれば、「お別れ」と思われるように感じていた。結局、後悔だけが残った。「ちゃんと伝えられるうちに、大切な人にどんどん感謝を伝えてほしい」と生徒に訴えた。

 「今日、話したことは全て、僕の後悔です。でもどんなに後悔しても、僕たちには今がある」。生きたくても生きられない人がいる。当たり前が突然失われることがある。勉強や部活、人間関係で悩むことがあっても、「今があることは本当にすてき」と清水さん。「下を向きながらでも、全力で生きよう。僕が支えられてきたように、きっと周りの友人や先生が気付いてくれるから」と締めくくった。

 高校1年の女子生徒(15)は「テレビで見ていた人にこんな背景があったと初めて知った。悩みを友人に打ち明けた時、心が軽くなったので、自分も気になる子に声を掛けていきたい」と話した。

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