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環境省の事業プレゼン部門 関学大の橋本さん優秀賞 放射線題「自分ごととして考えて」

2022/03/01 13:10

 放射線についての差別、偏見をなくそうとする環境省の事業「ぐぐるプロジェクト」で、関西学院大(兵庫県)の学生がプレゼンテーション部門の優秀賞に選ばれた。東京電力福島第1原発事故後の風評被害について、「関西では、自分ごととして考えられていないのでは」という問題意識を熱意十分に発表。28日に東京都内で開かれたフォーラムで表彰された。

 総合政策学部2年の橋本碧(あおい)さん(20)=尼崎市。11年前の原発事故に衝撃を受け、高校時代に福島県内各地の放射線量を測定して論文にした。当時「地元関西ではどうなのか」と兵庫県内などでも測定した経験を、今回に生かした。

 「関西の人にも興味を持たれるように」と導入部を工夫。「関西は花こう岩が多く、関東より年間2、3割多くの自然放射線を浴びています」と切り出した。科学的な知見を示し「正しい情報で判断する力を持てば、被爆の影響が次の代にまで及ぶという偏見に苦しむ人を減らせる」と訴えた。

 審査講評では花こう岩の事例提示が評価されたほか、「肝が据わっており、プレゼン能力・表現力がとても高い。たたずまいが秀逸」と称賛された。

 同事業は2021年度が初めてで、全国の大学生や専門学生にセミナーを開き、受講者によるプレゼン収録会を6都市で開催。放射線や医学の専門家、落語家らが審査員を務め、橋本さんは「プレゼン部門2」の応募23人の中から上位2人に選ばれた。(永見将人)

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