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GPSアート「西宮LOVE」(志水さん提供)
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GPSアート「西宮LOVE」(志水さん提供)
GPSアートで描いたカエルの顔
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GPSアートで描いたカエルの顔
志水さん(左)と歩く「GPSウオーク」の参加者=西宮市内(撮影・後藤亮平)
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志水さん(左)と歩く「GPSウオーク」の参加者=西宮市内(撮影・後藤亮平)

 衛星利用測位システム(GPS)を活用してスマートフォンのランニング用アプリの地図上に移動ルートを描き、絵や文字を表現する「GPSアート」を仕事にしてしまった男性が兵庫県西宮市にいる。「西宮LOVE」や「WE♡神戸」はそんな作品の一例。幾何学的にも見える仕上がりで、まるで南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」を思わせる。(上杉順子)

 元小学校教員の志水直樹さん(32)。今春、おそらく世界初の「プロGPSランナー」となった。

 11月上旬、志水さんの企画で老若男女約15人が作品作りに挑戦した。阪神西宮駅前を出発した一行は、志水さんに導かれるままに速足で歩く。時折立ち止まってスマホをのぞき込み、「今、目玉を描いてるね」「次の信号で折り返して。口をつくります」。行きつ戻りつし、2時間ほどで駅南側を1周すると、アプリの地図上にかわいいカエルの顔が現れた。

 GPSアートのきっかけは2016年1月に参加した西宮神社の「福男選び」だった。待ち時間に地図を眺め、同神社と北側の道路で「西」の字ができると気付いた。

 一度ひらめくと、次々とアイデアが浮かんだ。「この辺で『宮』を描いて、それから…」。ルート案を練り上げ、翌2月に走って実行。初の作品「西宮LOVE」が誕生した。趣味であるサッカーの練習で走り込む時に、アプリは以前から愛用していた。

 完成画面をフェイスブックに投稿すると、瞬く間に評判に。もともと地図が好きで「眺めると絵や文字が勝手に浮き上がってくる」という“才能”にも気付いた。気をよくして明石で「魚の棚」、神戸で「WE♡神戸」、地元では甲子園を中心に「夢」などと走って描いた。東日本大震災の被災地を支援しようと東北沿岸部も訪れ、イカやサバ、タイを絵で表現した。作品数は既に220を超える。

 今年3月末、東京五輪によるスポーツの盛り上がりなどを見据え「世界初のプロになる」と退職。翌月、愛用のアプリを運営するスポーツ用品メーカーから声が掛かり、同アプリを広める公式アンバサダー(大使)にアジアで初めて就いた。目標は「GPSアートで人を笑顔にする」。9、10月には欧州8カ国の市街地や宮殿で1文字ずつ描いて「RUN FOR SMILE」を完成させた。

 今は日韓関係の悪化に心を痛め、ソウルで二人三脚のランを計画中。「在日コリアンの教え子たちが心配。日韓友好を国内外に発信したい」といい、描くメッセージは、ハングルで「チング」(友人)などを予定している。

■SNSで人気急拡大

 1人でも取り組める「GPSアート」。その盛り上がりは会員制交流サイト(SNS)のツイッターやインスタグラムの投稿で確認できる。

 西宮市の志水直樹さんが影響を受けたという高橋康さん(42)=埼玉県=は、GPS画家「やっさん」として壮大な作品を多数発表する。2008年、車や自転車で半年をかけて日本を縦断し、列島をキャンバスに「MARRY ME」(結婚して)と描いて現在の妻にプロポーズしたのが初作品。後に「世界最大のGPS絵画」としてギネス世界記録にも認定された。

 当時はスマホの普及前で、位置情報を記録する専用機器を利用してネット上の地図に表現。GPSはもともと米国が軍事目的で開発し、民間用データは故意に精度が下がるよう設定されていたが、00年に解除された。高橋さんによると、02年ごろからGPSで線描をする人が出始め、ここ数年は「ランニングアプリの普及で一気に楽しむ人が増えた」という。

 一方、フルマラソンで顔を描くのは東京都文京区の浜元信行さん(41)。47都道府県ごとにコースを考案し、説明用の指示書をホームページやツイッターで発信。実際に自分で走ったのは半分程度で、「実は兵庫県もまだ走っていません」。県内のルートは尼崎市と西宮市。お近くの方は挑戦してみては?(上杉順子)

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