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阪神・淡路大震災で母を亡くし、現在は子育てに励む早川美幸さん(右端)に取材する高校の後輩の寺尾莉子さん(左端)=神戸市中央区
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阪神・淡路大震災で母を亡くし、現在は子育てに励む早川美幸さん(右端)に取材する高校の後輩の寺尾莉子さん(左端)=神戸市中央区

 阪神・淡路大震災から25年近い歳月が流れ、震災を知らない世代への体験や記憶の継承が課題となっている。防災を専門的に学ぶ兵庫県立舞子高校環境防災科の卒業生で大学4年生の寺尾莉子さん(21)=神戸市垂水区=は、同科の1期生で母の長尾裕美子さん=当時(43)=を亡くした早川美幸さん(32)=同市中央区=へのインタビューを行い、記事として執筆した。「教訓を受け継ぎ、悲しい思いをする人を少しでも減らしたい」。防災を学んだ者として、先輩から渡されたバトンを、新たな世代に引き継いでいく。(太中麻美)

 早川さんは神戸市長田区で被災し、自宅が全壊。近くの西市民病院に入院していた母の裕美子さんは、崩壊した病棟で亡くなった。震災を機に2002年に設立された同科の1期生として学び、寺尾さんの11年先輩にあたる。

 寺尾さんは中学生の時に東日本大震災が発生し、防災や減災に関心を抱いて同科に進学。1期生を指導した先生から「早川さんたちの話を伝説のように聞いていた」という。進学先の神戸学院大学でも引き続き防災を学び、神戸新聞で学生コーナーに記事を執筆する学生編集会議に参加。熊本地震の被災地を訪問した経験などを記事にしてきた。

 高校から学び続ける中で、防災や災害に無関心な周囲との温度差を感じていた。「実際に経験していなくても、若い世代が語り継ぐことの大切さを発信したい」と痛感し、大学卒業を前にこれまでの学びを記事にまとめようと決意。体験を聞き取る必要性を感じ、早川さんと同科の同級生だった同大学職員の前田緑さん(33)から紹介を受け、取材が実現した。

 「どこまで踏み込んでいのか」と緊張しながら質問を重ね、震災当日から、現在は男の子3人の母となった早川さんの歩みを聞き取った。震災が人生に与えた影響を尋ねると「あした生きているかは分からないと思っている。だから自分がいなくなっても、服の脱ぎ着をできるよう、子どもたちに教えている」との答えが返ってきた。

 実体験から生まれた言葉に圧倒された。「毎日が当たり前にあると思っていたけど、ちゃんと生きる大切さを教えられた」

 早川さんからは「被災した本人しか分からない、と突き放したらそこで終わり。語り継いでくれる若い人は必要」と、後輩へのエールが送られた。寺尾さんは「被災経験がないのに語り継いでいいのか、と迷うこともあったけど、取材を通じて吹っ切ることができた」と話した。

 寺尾さんの記事は、1月12日の神戸新聞朝刊教育面に掲載される予定。

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