美術館や博物館で、鑑賞と並ぶ楽しみといえば、バラエティーに富んだミュージアムグッズの数々。名画をモチーフにしたバッグや傘、国宝を再現した工芸品、土偶形の和菓子…。11月にリニューアルオープンした神戸市立博物館(同市中央区)も品ぞろえを充実させた。各施設のショップが所蔵作品などにちなんだ、ヒット商品の開発に知恵を絞っている。(堀井正純)
神戸市立博物館のショップでは、国の重要文化財の絵画「聖フランシスコ・ザビエル像」を題材にしたトートバッグやメモパッドが新たに登場。教科書でもおなじみの作品だが、同館が所蔵することは案外知られておらず、そのアピールも狙う。
ミュージアムグッズは、各施設内でショップを運営する企業が企画・製作するケースなどが多い。
同館の新グッズを企画したのは、神戸市内でレストラン経営やデザイン、プロデュース事業を手掛ける企業「ポトマック」。同館内のカフェとミュージアムショップも運営している。「ザビエル像」をモチーフにしたトートバッグのイラストは、神戸のグラフィックデザイナー、ハヤシジュンジロウさんが担当した。
バッグは黒と白の2種類。黒いバッグは、原画のザビエルを簡略化し、交差した手や燃える赤い心臓を強調した。「顔は少しセクシーな感じを狙った」(ハヤシさん)という。白いバッグは、原画に描かれた顔と翼だけの天使を、線描で愛らしく表現した。「こちらは女性に受けるのでは」とする。
ザビエル像を含め、同館の所蔵品の中核は、神戸の南蛮美術収集家だった故池長孟(はじめ)氏の旧蔵品。その南蛮美術にちなみ、ポルトガルにルーツのある伝統菓子「カステラ」「金平糖(こんぺいとう)」も商品化した。パッケージには、池長コレクションの一つで、狩野派の絵師・狩野内膳(ないぜん)筆の「南蛮屏風(びょうぶ)」(国重文)のゾウなどを図案化した。
一方、兵庫県内で異彩を放つのが、横尾忠則現代美術館(同市灘区)のグッズだ。西脇市出身で世界的な画家・デザイナーの横尾さんが自ら手掛けた雑貨や衣装の数々は、派手な色彩が渦巻き、多様なイメージの自在な引用が来館者を驚かす。訪れたファンも「展示室だけでなく、ショップもパワフルな横尾ワールド全開」と大満足の様子だ。
アートライターの小吹(こぶき)隆文さんは「ミュージアムグッズは書籍や小物だけでなく、衣服や装身具、スイーツなどをアーティストと共同開発すれば面白いのでは」と提案。「デザイン都市を標榜(ひょうぼう)する神戸には全国に先駆け、もっとこの分野を開拓してもらえたら」と期待する。











