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グループランナーに選出された「56年目のファーストランの会」の10人=西宮市(撮影・後藤亮平)
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グループランナーに選出された「56年目のファーストランの会」の10人=西宮市(撮影・後藤亮平)
シドニー大会の銀メダルを手にする斉藤晃司さん=三田市武庫が丘4(撮影・名倉あかり)
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シドニー大会の銀メダルを手にする斉藤晃司さん=三田市武庫が丘4(撮影・名倉あかり)
聖火ランナーに選ばれたチェリストの北村陽さん
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聖火ランナーに選ばれたチェリストの北村陽さん

 走りたい理由がある。走って届けたいメッセージがある。東京五輪の聖火リレーで兵庫県内を走るランナーには、県ゆかりのアスリートや芸能人、世界や地域で活躍する人たちなど多彩な顔ぶれが選ばれた。

■「56年目のファーストランの会」 前回、台風直撃で走れず

 「半世紀ぶりの願いがかなった」

 1964年の東京五輪で、台風直撃のため、聖火リレーが中止で走れなかった“幻の走者”でつくる「56年目のファーストランの会」。森純也幹事長(73)=大阪府池田市=は喜びをかみしめた。

 2013年9月。東京招致が決まった瞬間をテレビで見た森さんに、ほろ苦い思い出がよみがえった。「もう一度、走ろうよ」。同じく甲陽学院中高OBで、走れなかった同会会長の近藤宏さん(72)=東京都=に声をかけ、17年に会を結成した。

 トーチを持って走る正走者のほか、随走者を含めると、同じ境遇の仲間は600人以上いることが判明。参加を呼び掛けると、160人が集まった。

 当時中学3年だった加古川市の中西鈴子さん(69)は日々のジョギングを欠かさない。「ずっと夢見てきた。東京へと聖火をつなげたい」と意気込む。

 10人の中で唯一正走者だった上塚勝さん(73)=西宮市=は、阪神・淡路大震災で半壊した自宅から出てきたトーチを大切に保管する。「中には病気で走れなくなった人もいる。選ばれたのは10人だが、“ワンチーム”で走りたい」(井上 駿)

■障害があっても挑戦できる シドニー・パラ陸上「銀」三田の斉藤さん

 全盲を「目が見えないだけ」と捉える。2000年シドニー・パラリンピック陸上400メートルリレーで銀メダルを獲得した斉藤晃司さん(46)=三田市。聖火リレーに向け、「できない部分を助けてもらえれば、障害があっても挑戦できると知ってほしい」と語る。

 大学2年の時にバイクで通学中、トラックにぶつかった。病室で目を開けると、世界は真っ暗。直後は落ち込んだが、周囲の勧めで陸上を始めると、日本記録を次々と塗り替えた。

 04年に結婚し、その年のアテネ大会で引退。今は鍼灸(しんきゅう)師をしながら、中学2年の息子と小学6年の娘と暮らす。家族や盲導犬ニコラ(雌8歳)の助けで困ることは少ないが、ふと思う。キャッチボールや車の運転…。他の親ができることを子どもにしてやれない分、何かできないだろうか?

 そんな時、東京五輪の聖火ランナーを知った。子どもたちに「努力は何らかの形で返ってくる」とのメッセージを伝えたい-と応募した。

 当日は、アテネ大会の伴走者だった土田政志さん(41)と走る。「走る僕を見てもらって、障害者とフレンドリーになるきっかけになれば」(山脇未菜美)

■人の心動かす五輪、音楽と同じ 15歳のチェリスト北村陽さん

 「音楽で世界中の人を幸せにしたい」と願う15歳。チェリストとして国内外の注目を集める北村陽(よう)さんは「平和の象徴である聖火を持って走れることがうれしい」と目を輝かせる。

 西宮市に生まれ、4歳でチェロを始めた。小学2年で兵庫県立芸術文化センターのスーパーキッズ・オーケストラに最年少で入り、2017年には「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝。県立芦屋国際中等教育学校に通いながら、リサイタルも開く。

 そんなクラシック界の新星を夢中にさせたのがオリンピックだった。とりわけ陸上の100メートル。リオデジャネイロ五輪で、ウサイン・ボルト選手の走りを見て気付いたことがあった。「スタート前の静寂は音楽に共通する。静かな瞬間があるから瞬発力が生まれる。音楽も休符があるから人の心を動かす」

 同時に、五輪が「平和の祭典」であることにも心引かれ、聖火リレーに応募した。「つながれてきたたくさんの思いを感じながら走りたい」。音楽とスポーツの力を信じている。(今福寛子)

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