神戸市は18日、市西部の3駅で進める駅前再整備に合わせ、2024年度までに駅周辺で民間マンションを中心とした計約1900戸の住宅供給を計画し、計約5千人の流入を目指すと発表した。市営地下鉄西神・山手線の西神中央駅(西区)と名谷駅(須磨区)、JR垂水駅(垂水区)の3駅で、郊外の人口増につなげるのが狙いという。
久元喜造市長が定例会見で明らかにした。今年1月時点の人口動態調査によると、神戸市に住む日本人は148万9820人で前年同期を6235人下回り、減少幅は全国最大だった。これを受けて市は9月、新たな人口減少対策「リノベーション・神戸」に着手。3駅の駅前再整備と周辺での大規模な住宅供給計画はその一環となる。
文化・芸術ホールや区役所などが新設される西神中央駅では700戸(居住人数は約2千人)、駅ビルのリニューアルや新図書館を計画する名谷駅では600戸(同約1500人)、大規模な体育館や総合病院などを整備する垂水駅では550戸(同約1500人)の住宅供給を計画。いずれも駅に近い市営住宅の跡地や、外郭団体が駅周辺で所有する商業施設の駐車場スペースなどを活用し、民間事業者を公募する。
会見で久元市長は「見違えるようなリノベーションで、心躍る駅前空間をつくる。市西部の拠点性の高い3駅で戦略的に人口誘導を図りたい」と述べた。
市はほかに、神戸電鉄・北神急行谷上駅(北区)や神鉄鈴蘭台駅(同)、JR神戸駅(中央区)前などでも再整備を検討する。また市内約120カ所の全ての駅前空間についても、街灯の増設や街路樹のリニューアルなどで魅力向上を図り、人口を巡る都市間競争に対応する。(石沢菜々子)