神戸市東灘区の住吉川で、アユの産卵がピークを迎えている。腹に卵を抱えた1匹のメスに、婚姻色を身にまとう「さびアユ」と呼ばれるオスが群がっている。
住吉川では、兵庫県神戸土木事務所や自然保護団体などが協力し、2011年から16年までにアユが遡上できる魚道を12カ所整備。生息数は1万数千匹にまで増えているという。
須磨海浜水族園(同市須磨区)によると、アユは秋になると産卵のために下流に移動する。水温が下がり、日照時間が短くなる秋から冬になると、オスの背中は黒く、腹は朱色の婚姻色に。川底の石などに産み付けられた卵は、半月ほどでふ化。稚魚は海で育ち、来年4月から5月にかけて川をさかのぼる。(中西幸大)