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昨年12月に就任した長谷川一明社長=大阪市北区、JR西日本本社
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昨年12月に就任した長谷川一明社長=大阪市北区、JR西日本本社

 JR西日本の長谷川一明社長との主なやりとりは次の通り。

 -2023年度以降の中期経営計画ではどのような事業に取り組むのか。

 「基幹事業の鉄道事業の安全性を高めながら、非鉄道事業も拡大し、相乗効果を発揮できるようにしたい。連結ベースの収益でみると、現状は非鉄道が3割強で、鉄道が6割強だが、鉄道を持続的に発展させていくためにも、30年ごろには5対5にするのが目標だ。ビルやホテルを建てるだけでなく、まちづくりにも積極的に参画していきたい」

 -網干・姫路発着の新快速上下各2本に導入した有料座席「Aシート」が好調だ。

 「ラッシュ時は約9割、昼間も約6割の利用がある。着座ニーズが高いことがよく分かった。今は試験的な導入だが、いずれは本格導入し、より多くの新快速に設けたいと思っている。ただ、現状の乗務員から乗車整理券を購入する形では膨大な人手が必要になる。ICカード乗車券をベースにしたようなスマートなサービス、簡単に予約できる仕組みにしていかないといけない。そのための技術開発を進めていきたい」

 -3大プロジェクトの一つ、三ノ宮駅開発の見通しは。敷地内で掘り当てた温泉の活用は。

 「駅ビルの開業時期は未定だが、かなり難しい工事になる。作業場所が狭く、地下街の営業を継続しながらの工事になる。通常よりは相当工期は長くなる。解体だけでも年単位の仕事になる。ホテルやショッピングセンター(SC)、オフィスなどを入れる複合ビルを考えている。選ばれる施設にならなければならないし、大阪・梅田のビルのコピーではいけない。神戸らしさ、神戸ブランドとは何かということについて議論している。温泉は維持していくのが大変。(使用は)なかなか難しい」

 -明石市に打診した、大久保-魚住駅間に新幹線車両基地と新駅の整備する計画の狙いは。

 「リダンダンシー(代替性)を高めていくため、従前からどこかに基地を設けられないか検討していたが、昨今のいろんな災害などを踏まえ、必要との思いが強くなった。浸水対策もあるが、大阪に近いエリアに車両基地がある方が、機動性が高まる。大阪はJR東海の鳥飼車両基地で運用しているが、車両に不具合があったときの差し替えだけで、余力がない状態。明石エリアに車両基地があれば車両の適正な運用や、増発も可能になってくる」

 「併せて、明石市が居住地に選ばれる傾向が高まっている中で、新しく駅を造り、まちづくりを進められれば、明石市や兵庫県に資するのではないか。総合的観点から現状では明石市が最有力候補と考えている。ただ、農用地であることや騒音などの問題は当然ある。具体性をもって相談させていただきたい」

 -尼崎脱線事故から今春で15年になる。19年11月の被害者説明会で、事故車両を大阪府吹田市の研修施設「鉄道安全考動館」で保存したいと提案した。今後のスケジュールなどは。

 「まだ成案に至っていないが、なるべく早く、20年度の説明会で内容や工期を提案できるようにしたい。その前にもいろいろな形で意見を伺う必要があると考えているので、説明会のような全体会とは別に場を持てれば。そのために素案を固め、ご意見を頂き、私どもの考えを整理して修正し、説明会で提案する。そういう形にできればいいと思っている」

 -事故現場の「祈りの杜」での慰霊式の在り方についても、会場設営の長い工事期間や式典中の列車の音などに改善の声が上がっている。

 「工期短縮は必要だと思っている。音の問題も、心静かに参列いただけることが大事なので、会場のつくり方や防音のための装置などを、希望に添えるように検討している」

 -事故車両のほか、新幹線で初の重大インシデントに認定された亀裂台車の保存状況や、安全教育に役立てる考えは。

 「台車は新幹線基地(博多総合車両所)で保存している。事故原因を究明するため非常に細かく裁断されているので、そのもの自体は教育用に使えないが、実物大の模型を置くことは一つの考え方としてある。実物にかなうものはないが、違う形でできないか勉強している」

 -近畿エリアの在来線で、夜間の保守作業の人手不足を背景に、終電繰り上げの検討も発表された。

 「他の鉄道事業者からも注目されていると感じており、利用者からの賛否も、想像以上の反応があった。円滑に実施するには、どの線区の、どのエリアで、どの時間帯なら受け入れられるのか、見極めが必要だ。生活スタイルに関わるので、関心が高いのは当然で、慎重に検討しないといけなし、時間が掛かる。21年春のダイヤ改正ありきではない。いろいろな形で、社会の理解を得る広報活動をしっかりしないといけない」

 -社長交代で、副会長ポストが復活した。来島達夫前社長が就き、脱線事故の被害者対応本部を担当する。新しい経営体制の狙いは。

 「30年ごろまでの関西エリアを見ると、大阪・関西万博、北陸新幹線の敦賀開業と新大阪延伸、なにわ筋線の開業など、将来を展望していく大事な時期にきている。新しい経営の局面を迎える中、会長、副会長、社長とトップマネジメントを重層化して当たるということだ。真鍋(精志会長)はグループ経営全体、来島は被害者対応の担当が就いているが、それのみを担当するわけではない。私を含めた3人で連携して事業を進めていく。最終責任者は社長である私で、事故の被害者対応も責任を持ってしっかりやっていく」

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