上方落語の復興に尽くし人間国宝となった故桂米朝さんの人生を、妻の故中川絹子さんの視点から描く喜劇「なにわ夫婦八景」が2月1日から16日間、大阪松竹座(大阪市中央区)で上演される。米朝さんが亡くなって5年の節目となるのを機に、松竹が一門の協力を得て制作。主役の絹子さんを元宝塚歌劇トップスターの真琴つばささん、米朝さんを俳優の筧利夫さんが演じ、弟子の桂ざこばさんらも出演する。師匠と弟子、家族らの心温まる絆を、笑いを交えて再現する。(津谷治英)
米朝さんは兵庫県姫路市出身。21歳ではなし家となり、衰退の一途だった上方落語を、四天王と呼ばれた六代目笑福亭松鶴、五代目桂文枝、三代目桂春団治=いずれも故人=らと再興した。2015年に89歳で死去。一門にはざこばさんや南光さん、長男の五代目米団治さんら人気落語家が名を連ねる。
原作は、妻絹子さん=14年に88歳で死去=の半生を描いた「なにわ華がたり」(廓正子著、淡交社)。大阪松竹少女歌劇団のスターの座から、無名だった米朝さんの妻となり、夫と共に数々の個性的な弟子を育てた。
舞台では弟子のざこばさんが、米朝さんの師匠だった先代の桂米団治を演じる。物語が自身の歩みの一部と重なるとあって、昨年12月の制作発表会見では「中川(米朝さんの本名)の家はたくさんの弟子が出入りし、騒がしかったですなあ」と感慨深そうに話した。
また長男の中川明(米団治)さん役をジャニーズ事務所所属の内博貴さん、米朝さんと親交のあった漫才師役を吉本新喜劇の池乃めだかさん、西川忠志さんが務める。会見には米団治さんも顔を見せ「豪華な配役で仕上がりが楽しみ」と期待を寄せた。チケットホン松竹TEL0570・000・489