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奉納された戎舞を楽しむ参拝者=2014年1月、神戸市兵庫区の蛭子神社
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奉納された戎舞を楽しむ参拝者=2014年1月、神戸市兵庫区の蛭子神社
商売繁盛や開運招福を願う人たち=2019年1月、神戸市兵庫区の柳原蛭子神社
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商売繁盛や開運招福を願う人たち=2019年1月、神戸市兵庫区の柳原蛭子神社
十日えびすの縁起物=2019年12月、西宮市内
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十日えびすの縁起物=2019年12月、西宮市内

 令和最初のお正月が過ぎ、関西では商売繁盛や開運招福を願う新年恒例の「十日えびす」(1月9~11日)が始まる。昨年の十日えびす、いつもは満席のなじみの飲食店に立ち寄ると、お客さんは私ひとりだけ。普段は厨房から出てくる暇もないほど忙しい店主が、「えべっさんの間はお客さん全然やねん」と嘆く。聞けば、「参拝帰りに寄り道したら、寄った店に福が落ちる」のがその理由とか。インターネットで「十日えびす 寄り道」と検索すると、<えべっさん帰りの寄り道は縁起悪い><寄り道はあかん><寄り道したら福逃げる>等の書き込みがずらり並ぶ。十日えびすの帰り道、自宅に直行しなければいけないのか。(ネクスト編集部 金井かおる)

■「気にしないで大丈夫!」

 地元のことは地元の神様に。件の飲食店は兵庫県明石市にある。その最寄りの“明石のえべっさん”こと岩屋神社(明石市)の稲垣光男宮司に聞いた。

 ー昨年の十日えびすの帰り道、私は飲んで帰ったんですが…。

 「わっはっは。気にしないで大丈夫!」

 ーよかった! 福は落ちてない?

 「福が落ちるとか、そういうことはないですよ」

 宮司の豪快な笑い声にひと安心。

■えびす宮総本社では

 念のため、全国のえびす神社の総本社にも取材。早朝の境内を一番福目指して駆け抜ける「開門神事福男選び」でも全国的に有名な西宮神社(兵庫県西宮市)の吉井良英権宮司に尋ねた。

 ー十日えびすの帰りに寄り道すると福を落とすという考え方があるのですが…。

 「昔からの言い伝えとして聞いたことはあります。しかし神社からは発信してません。ダメということではありません。あくまでも言い伝えなので気にされることはないです」

 ーじゃあお参りの帰りに飲食店によっても大丈夫?

 「そんな即物的なものではないですよ。どこかのお店に寄ったから福が落ちる、という話ではありませんよ。昔はよく言われていた説なので、きっと何か、泥酔客が店に笹を忘れることが多発したりがあったんでしょうね」

 ー福ではなく笹を落とす、と。

 「お祭りだから寄り道したくなるのは当然です。特に、十日えびすを行う神社は大きな繁華街の近くに構えていることが多く、帰り道にお酒も飲みたくなるでしょう。でも、祭り気分で浮かれすぎて深酒し、せっかくの縁起物の福笹などをお店に忘れて帰らないようにという、先人のいましめではないでしょうか」

 福は落ちないが、落とし物には注意。皆さん、今年の十日えびすの帰り道は安心して寄り道しましょう。でも飲みすぎによる福笹の忘れ物には気を付けてくださいね。

 

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