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新作映画のパンフレットを手に寅さんへの思いを語る石倉泰三さん=神戸市長田区
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新作映画のパンフレットを手に寅さんへの思いを語る石倉泰三さん=神戸市長田区
ファンから「寅さーん」と呼びかけられ、笑顔で応える渥美清さん=1995年10月、神戸市長田区
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ファンから「寅さーん」と呼びかけられ、笑顔で応える渥美清さん=1995年10月、神戸市長田区
出演した倍賞千恵子さん(右)と後藤久美子さん=「男はつらいよ お帰り 寅さん」(C)2019松竹株式会社
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出演した倍賞千恵子さん(右)と後藤久美子さん=「男はつらいよ お帰り 寅さん」(C)2019松竹株式会社

 第50作目となる国民的人気映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」が、昨年暮れから全国で公開されている。俳優渥美清さんが生前最後に演じた「寅さん」のロケ地となった阪神・淡路大震災の被災地でも、ゆかりの人たちが心待ちにしてきた作品。壊滅的な被害を受けた神戸・長田の街は、どれほど寅さんに勇気づけられただろう。被災し、懸命に立ち上がった人たちは震災25年を前に、スクリーンに戻ってきた懐かしい笑顔に感謝の思いを伝えている。(段 貴則)

 渥美さんの没後1年に製作された特別編(第49作)の公開以来、22年ぶり。新作で、寅さんは思い出の形で登場する。

 遺作となった第48作「寅次郎紅の花」は当時、シナリオがほぼ決まっていたが、山田洋次監督らが地元の誘致活動の熱意に動かされ、神戸市長田区の旧菅原市場がロケ地となった。公開は震災が発生した1995年の年末。被災地に立つ寅さんの「皆様、本当にご苦労様でした」という言葉は、渥美さんの俳優最後のせりふとなった。

 この作品に登場する被災したパン店のモデルとなった同区内の共同作業所「くららべーかりー」の石倉泰三さん(67)は昨年、特別試写会で、寅さんに一足早く“再会”した。上映前から拍手が自然発生的にわき起こり「みんなの『寅さん、お帰り』という気持ちが伝わってきた」といい、テーマ曲が流れた途端、涙があふれた。変わらぬ姿の寅さんと、年を重ねた他の出演者を見て「震災から25年が経ったことを考えさせられた」と話す。

 震災で37店舗が全焼した菅原市場跡の公園に、ロケ地となった記念碑が立つ。菅原市場に店を構え、今も記念碑近くで精肉店を続ける男性(70)は、ロケに訪れた渥美さんが撮影の合間、下ばかり向いていた姿を覚えている。「目も合わさないから、市場のみんなで『映画のイメージと違う』と話をした。後になって、体調が悪いにもかかわらず、長田を舞台にしてくれたと知った」。

 仮設店舗で再開した菅原市場は、5年後に共同スーパー形式に衣替えして営業を続けたが、17年に閉店した。男性は「市場を励ましてくれた渥美さんに報いるためにも、市場のそばで店を続けたい」と話している。

 神戸国際松竹(神戸市中央区)やアースシネマズ姫路(姫路市)などで公開している。

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