阪神・淡路大震災で命を落とした児童生徒や教職員らをしのぶ「追悼の夕べ」(兵庫県教職員組合など主催)が17日、神戸市中央区のラッセホールで開かれた。震災で当時2歳だった兄を亡くした芦屋市立岩園小学校教諭の高光愛恵さん(24)=同市=が約250人を前に講演。命の尊さを子どもにどう伝えるかについて語った。
県教育委員会によると、震災で県内の公立学校園の児童生徒296人が犠牲になった。一方で当時を知る教員は年々減少し、教育現場でどう震災の記憶や教訓を語り継ぐかが課題となっている。
震災後に生まれた高光さんは当時のことを親から聞いた。同市にあった自宅は全壊し、兄は下敷きになった。「母は納骨の時、手が震えてできないと泣いた」などと、時折、声を詰まらせながら話した。
「『震災を経験していないからわからない』では、子どもたちの未来は守れない。遺族の一人として、命の大切さを伝えたい」と決意を述べた。(佐藤健介)









