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教員がその日の退勤時間を示す専用ボード=神戸市立小束山小学校
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 教員の長時間労働が問題になる中、兵庫県内の学校で働き方を見直す取り組みが進んでいる。授業以外の事務作業をサポートする人材を自治体独自の予算で確保したり、退勤予定の時間が周囲にも伝わるよう職員室のボードに示したり。ただ、現場には「教員の増員や業務の見直しが進まない限り、抜本的解決は難しい」との不満もあり、模索が続く。(末永陽子)

 「こんなにコピー枚数が多いとは…」。教員の事務を手伝う臨時職員として、尼崎市の市立武庫東小で昨年10月から週に5日、1日4時間働く女性(47)は、その多忙ぶりに驚いた。児童約800人を抱える同校では、教材や保護者宛ての資料のコピーが数百枚に及ぶこともしばしば。コピー機前に教員が行列を作ることも多かった。

 女性は、尼崎市が市内全41小学校と特別支援学校に1人ずつ置く「スクール・サポート・スタッフ」の一員。もともと県などの助成で中学校1校に配置されており、好評だったことから市が2019年度に独自予算を付けて拡充した。面接を経て採用された人材は主婦に教員OB、民間企業出身者と幅広い。

 武庫東小では当初、「いつ、何を頼んだら…」と教員側にもためらいがあった。そこで準備したのが、手伝ってほしい内容や締め切りを書いた「依頼書」。各教員の出勤簿の横に置き、毎朝、それぞれ気軽に頼めるようにした。

 今、女性は教頭の補助を中心に来客対応や教材準備の手伝いも担う。谷澤三千起(みちおき)校長(59)は「先生が子どもと向き合う時間を増やすことができている」と効果を歓迎する。

   ◇   ◇

 各教員の退勤時間を職員室に示すのは神戸市立小束山小(同市垂水区)。きっかけは昨夏、長時間労働の改善をテーマに事務職員の2人が中心となって開いた研修だった。

 「会議前に終了時刻のタイマーをかける」など多くのアイデアが出る中、まず取り入れたのが退勤時間の「見える化」。出勤すると、30分単位で時間が区切られ「わたし、○時で帰ります」と書かれたボードに自分の名前を張る。時間に対する意識が高まり、互いに急な業務を振るのを避け、依頼や相談のタイミングにも配慮するようになった。

 辻本美樹子校長(54)は「働き方改革と言っても、何から手を付けたらいいか分からない教員も多い。まずは現場に問題意識を持ってもらうことが大切だと感じた」という。

 県教育委員会も昨年4月から、放課後の負担緩和へ全県立学校に留守番電話を導入した。午後5時ごろから翌朝までの電話には「本日の業務は終了しました」と自動音声で対応する。ただし、留守電の録音は管理職の携帯電話などに転送され、緊急性が高い場合は折り返す。

 試行錯誤の一方で、仕事量を見直す難しさも聞かれる。神戸の小学校で働く40代女性は「子どもが相手なので家庭訪問や保護者対応など急を要する仕事も多い。業務量を減らすのはなかなか難しく、人手を増やしてほしい」と求めた。

【教員の働き方改革】文部科学省の2016年度調査では、週に60時間以上勤務し、残業時間が過労死ラインとされる月80時間超に相当した教諭は小学校で33・5%、中学校では57・7%に上った。働き方改革の一環として、勤務時間を年単位で調整できる「変形労働時間制」の導入を柱とした改正教職員給与特別措置法が昨年12月に成立。繁忙期の勤務時間を延長する代わりに夏休み期間の休日を増やす運用が自治体の判断で可能になったほか、残業の上限を月45時間とする文科省指針が法的に位置付けられた。

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