神戸新聞など全国10紙で連載中の4こま漫画「ねえ、ぴよちゃん」がインターネットで注目です。主人公ぴよちゃんが大好きなのに、素直になれない同級生のひみこちゃんのツンデレな絡みに、<尊い><心が浄化する>とキュンキュンするツイッターユーザーが続出。#ねえぴよちゃんのハッシュタグで拡散し、現在小学3年の二人が大人に近づく姿を描く熱いファンも。ネット書店や全国の店頭で単行本は品薄状態となり緊急重版がかかりました。
「ねえ、ぴよちゃん」は、両親と中学2年の兄と暮らすぴよちゃん(本名花乃ひよこ)とぴよちゃんが生まれた頃から一緒の相棒である飼い猫の又吉(またきち)を軸に、友人たちとの毎日を描いたファミリーコメディー。全国の新聞10紙(北海道、河北新報、新潟日報、東京、中日、中国、徳島、愛媛、西日本、神戸)で連載中で、<全員が善人><元気が出る><優しい世界>などと投稿が相次いでいます。
■「とてもうれしい」
作者の青沼貴子さんは1960年1月1日、北海道函館市生まれ。81年デビューし、主な作品に「ママはぽよぽよザウルスがお好き」「青沼さんちの犬は腹黒だ」などがあります。
ーツイッターで共感が広がっています。
「とてもうれしいです。新聞読者の方々は、又吉を気に入っていただいている方が多いのですが、ツイッターで応援してくださっている方々は、同級生のひみこを気に入っていただいている方が多いそうで。もちろんどちらの応援もうれしいです」
ーお嬢様育ちのひみこちゃんのツンデレな態度にキュンときます。
「あら、そうなんですね! 私も楽しく描いてますから、読者の方々も思い思いに楽しく読んでいただければうれしいです」
ー2人の今後の関係が気になります。
「『元気で明るい女の子』と『意地悪なお嬢様』という組み合わせは太古の昔からあるおもしろい組み合わせですよね。でも私の経験上、本物のお嬢様は意地悪なんかじゃなく性格がいいみたいです。ひみこのことは、今後もそのように描いていきたいと思います。ぴよとひみこは、ずっとずっと仲良しでいられるといいですね」
■ひつぎに切り抜き、短歌作品にも
神戸新聞では2017年4月1日朝刊からスタート。直後から電話や投書で感想が集まり、紙面の投稿コーナーにはこれまで25回掲載されました。読者の方のエピソードを一部紹介します。
ぴよちゃんを毎日音読し楽しんでいた高齢の母親が末期がんで旅立ち、ひつぎに切り抜きを入れました/99歳女性から作者へのメッセージ「頑張ってください」/5歳と8歳の子が連載を読むため新聞の取り合いをします/怒るシーンが皆無。犯罪などの記事で埋めつくされるページの中で、愛にあふれる漫画は一服の清涼剤、など。
一首詠んだ方も。こんな猫/ゐるはずないが/楽しみは/四コマ漫画の/<ねえぴよちゃん>(2019年3月10日三田版)
■ぴよちゃんトリビア
Q.ぴよちゃんのモデルは?
A.息子と娘の小学生時代を思い出し、2人のいいとこ取りです。
Q.又吉のモデルは?
A.猫のキャラクターは30年くらい描き続けている、私の永遠のアイドルです。
Q.朝刊連載で心がけていることは?
A.ほのぼのしつつ、くすっと笑えるコメディーです。朝刊を読んで、元気に1日のスタートを切ってもらえる漫画にしたいと思います。(2017年3月25日神戸新聞朝刊掲載、青沼貴子さんインタビューから抜粋)
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単行本の発売元、竹書房(東京都千代田区)の担当者は「突然のことで驚いています」。既刊1~3巻はネットや全国の書店で売り切れ状態となり、同社は1月17日に緊急重版を決定。「こんなに急な重版は初めてです。ネットユーザーに何が刺さったのか…」と担当者。ぴよちゃん公式ツイッターアカウント(@nepiyochan)では「各所で売り切れてしまっているようです!お待ちいただいている皆様、申し訳ございません」とお詫びコメントを投稿しました。2月27日には最新刊の第4巻が発売予定。発売までには間に合わせようと急ピッチで重版中だそうです。
ファンの皆様、それまでは連載中の新聞各紙と「ねえ、ぴよちゃん」特設サイト(http://www.ne-piyo.jp/)でお楽しみください。(ネクスト編集部 金井かおる)









