総合 総合 sougou

  • 印刷
熊本地震の被災地で、派遣職員として家屋被害認定調査に当たる淡路市の職員(右)=2016年5月、熊本県益城町
拡大
熊本地震の被災地で、派遣職員として家屋被害認定調査に当たる淡路市の職員(右)=2016年5月、熊本県益城町
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 兵庫県内の自治体が東日本大震災以降、国内の主な被災地に派遣してきた職員が延べ2815人に上ることが、県のまとめで分かった。阪神・淡路大震災を経験した自治体の多くが「震災の恩返し」や「教訓の伝承」を掲げて積極的に派遣。震災を経験していない世代のキャリアアップにもつながっている。(前川茂之)

 東日本大震災を含む六つの災害について、関西広域連合のカウンターパート方式による派遣や、総務省が2018年3月から運用を始めた被災市区町村応援職員確保システムなどから県内自治体の延べ派遣者数を計算した=表参照。ほかにも自治体が独自に判断して単独派遣したケースがあり、実数はさらに多い可能性があるという。

 県広域企画室によると、最も派遣が多いのは東日本大震災の被災地で、延べ1949人。うち県職員が1533人で約8割を占める。次いで多いのは熊本地震で延べ303人。西日本豪雨(239人)や大阪府北部地震(169人)の被災地にも派遣され、発災直後から家屋被害認定調査などの業務に当たった。

 昨年4月1日時点での派遣職員数を調べた総務省のデータでも、県内自治体からの派遣者数は突出している。他の道県への派遣職員数は、神奈川県(163人)、東京都(142人)に次いで全国3位(106人)。派遣業務をとりまとめる同省公務員課も「自治体規模からすれば、相当な人数を割いてもらっている。防災の専門知識を持っている職員も多く、即戦力になっている」と評価する。

 震災を経験した職員が減少する中、将来の人材育成を見据えて取り組む自治体もある。西宮市は原則、派遣経験のある職員と若手職員のペアで派遣。臨機応変さを求められる避難所運営などの対応を先輩職員から学ぶといい、担当者は「現場を踏むことが一番のトレーニングになる。被災地業務に当たることで、仕事に対する意識が確実に変わる。結果的に市の防災力アップにもつながる」と語る。

 東日本では歳月の経過とともに各地の派遣職員が減らされ、復興に携わる人員不足が課題となっているが、兵庫県の井戸敏三知事は「現地の派遣職員は意気に感じて仕事に臨んでいる。必要であれば、さらに任期付き職員を募集し、一定数持続させたい」と支援継続に前向きな姿勢を示す。

 県は「阪神・淡路の経験や教訓を伝えることは被災県としての責務」と派遣の意義を強調。一方で「一部の自治体だけが経験を積むのではなく、国として災害の教訓を共有することが重要」と主張し、事前防災から復興までを担う組織として「防災庁(省)」を創設するよう国に訴えている。

総合の最新
もっと見る

天気(2月18日)

  • 9℃
  • ---℃
  • 40%

  • 5℃
  • ---℃
  • 90%

  • 9℃
  • ---℃
  • 30%

  • 7℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ