全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)の女性経営者の会(田中美岐会長)の勉強会がこのほど、神戸市東灘区向洋町中2の神戸ベイシェラトンホテル&タワーズであった。全国の有名温泉地や観光地から、着物姿の旅館の女将(おかみ)ら約50人が出席した。
会議は、神戸の老舗料亭旅館「ほてるISAGO神戸」の若女将、山田佐知さんらが企画。作家の玉岡かおるさんが「国際社会の中の女性経営者」、日本を代表するコンシェルジュとして知られる阿部佳さんが「宿泊業の未来について」と題して講演した。
玉岡さんは、銀行や保険会社設立に尽力した広岡浅子、神戸の鈴木商店を世界的企業に育てた鈴木よねら、関西の女性実業家の手腕を紹介。歴史には未来のヒントがあるとしながら、「国際化とは、語学の問題ではなく、自分が何者なのかという魂の在りかを示していくこと」と指摘した。
阿部さんは「宿泊業は地域コミュニティーの核となり、ホスピタリティの発信元になれる。プロ意識を持って地域を深く知り、愛して」と語った。
山田さんは「震災復興の中で神戸の観光は、京都や大阪に大きく遅れたが、私たちが地域の核になって盛り上げていきたい」と話した。(冨居雅人)