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街に溶け込む神戸・北野地区の「風見鶏の館」(旧トーマス住宅)。「雑居地」の歴史を今に伝える=神戸市中央区北野町3
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街に溶け込む神戸・北野地区の「風見鶏の館」(旧トーマス住宅)。「雑居地」の歴史を今に伝える=神戸市中央区北野町3
神戸・北野周辺の主な宗教施設
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神戸・北野周辺の主な宗教施設

 姫路城に次ぐ世界文化遺産を神戸にも-。神社やユダヤ教の教会堂(シナゴーグ)、イスラム教の礼拝堂(モスク)など、さまざまな宗教施設が隣り合うように共存する神戸・北野を、兵庫県内で2番目の世界遺産に登録しようと、地元住民団体などが本格的に動きだす。北野周辺には神戸港開港以来、日本人と外国人の「雑居地」として、共に街をはぐくんできた土壌がある。分断と対立が進み、混迷が深まる世界に「国際都市・神戸に根付く普遍的な価値」を発信する。(段 貴則)

 「平和共栄の街、神戸北野・山本地区の世界文化遺産登録をめざす会」(2018年設立)が活動を本格化させる。文化プロデューサー河内厚郎さんに加え、地元自治会などでつくる「北野・山本地区をまもり、そだてる会」の浅木隆子会長、米大リーグで活躍するダルビッシュ有投手愛用の野球用具などを展示するミュージアムを山本地区に開いた父ファルサさんらが、発起人となった。

 開港後、外国人専用の区域だった居留地とは別に、北野や山本地区には、日本人と外国人が共に暮らす雑居地が広がった。徒歩圏内には、地名の由来となった北野天満神社や浄福寺、神戸ハリストス正教会など、多彩な宗教施設がある。阪神・淡路大震災時は、宗教の壁を越えた支援活動も行われた。

 河内さんは「神戸の魅力は、異人館など多国籍な雰囲気だけではない。宗教に対して最も寛容な街を古くから築いてきた点こそが、世界に通用する普遍的な価値だ」と指摘する。

 めざす会は20年から、日本遺産登録に向けた取り組みも並行して進める。各宗教施設の代表者らへ協力を呼び掛けるほか、地元住民に北野・山本地区の歴史を理解してもらうため、街歩きイベントなどを開催。さらに北野で代々暮らしてきた世帯に聞き取り調査をする考えだ。クラウドファンディングの実施も検討し、賛同者を増やしていく。

 ファルサさんは「宗教の違いより人間として向き合う文化を神戸で学んだ。この文化を当たり前と思うのは、もったいない。北野・山本地区から世界に平和のメッセージとして発信すべきだ」。浅木さんも「平和の祭典である東京五輪があり、世界から注目される。世界遺産登録に向けて発信していきたい」と話す。

【世界遺産】 人類共通の資産として保護すべき「顕著な普遍的価値」を持つ遺跡や景観、自然などを世界遺産条約に基づき、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が登録する。2019年7月時点で、登録総数は世界で1121件(文化遺産869、自然遺産213、複合遺産39)。日本は文化遺産「姫路城」(兵庫)や自然遺産「屋久島」(鹿児島)など、23件(文化19、自然4)が登録。審査は年に1国1件と制限され、20年は日本の自然遺産候補「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)が審査される。

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