人口減少が進む地方自治体の議会で議員選挙の候補者不足が課題となる中、兵庫県内12町議会の60%の議員が、なり手不足を感じていることが29日、神戸新聞社のアンケートで分かった。過去に立候補者が定数を超えず無投票を経験した町で危機感が強く、9割以上の議員が不足を感じている議会も3町あった。対策では議員報酬の引き上げが有効との回答が最多で、住民の関心低下を懸念する声も相次いだ。
アンケートは昨年10月、12町議会の全議員(定数167)を対象に実施。87%に当たる146人が答えた。
議員のなり手が少なくなっていると「感じる」と回答したのは29%で、「どちらかといえば感じる」は31%だった。一方、「感じない」「どちらかといえば感じない」を合わせると37%に上った。
2017年の前回選で合併後初めて無投票となった多可町は、議員14人中13人がなり手不足を実感。補選を含め過去6回の選挙のうち3回が無投票だった香美町は、回答した12人中11人が危機感を示した。佐用町も14人中13人を占めた。
不足の主な理由は「住民の議会への関心が低い」(香美町の70代男性議員)や、議員報酬の少なさに触れ「生活が保障されている人しか立候補できない状況」(佐用町の60代男性議員)などが挙がった。
中には「地域代表の仕組みが崩れている」(稲美町の60代男性議員)との意見に加え、「合併で行政が身近ではなくなり、住民の声が届きにくくなった」(佐用町の60代女性議員)との指摘もあった。
一方で、昨年9月の町議選で定数16に対し22人が立候補した猪名川町や、昨年の統一地方選で定数15に対し24人が乱立した太子町などでは危機感が低かった。
なり手不足の対策(複数回答)は、122人が選択した報酬引き上げがトップ。次いで98人が選んだ「住民の関心喚起」が多かった。自治体と取引のある企業の役員などが議員になれない兼業制限の緩和・撤廃が続いた。
その他の記述で「主権者教育の充実」「定数のうち一定程度を女性枠にする」「議員年金の復活」「立候補しやすい選挙制度にする」などを対策として挙げる議員もいた。(井関 徹)











