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 神戸市兵庫区南部の浜山地区(26・7ヘクタール)で約30年間にわたり進められてきた土地区画整理事業が2019年度中に完了する。戦禍を免れて昔の街並みがそのまま残り、防災面で課題があったが、道路や公園、民家、共同住宅が整然とした配置に整備され、近代的に様変わりした。3月に記念式典を予定している。(上杉順子)

 同地区はノエビアスタジアム神戸の南西に位置し、兵庫運河と苅藻島運河に囲まれた島状の土地。明治期以降、水田地帯「吉田新田」を埋め立てて周辺の大企業で働く人たちが移り住み、長屋や商店、下請け工場が集積した。

 太平洋戦争で爆撃を受けなかったため戦災復興土地区画整理事業の対象外となり、長屋が密集し、幅2、3メートルで救急車などが入れない未舗装の私道が多く残った。昭和40年代に入ると住民の高齢化が進み、インナーシティー(都心周辺部)として空洞化が問題視されるように。

 住民も危機感を持ち、1989(平成元)年にまちづくり協議会が結成された。92年から土地区画整理事業と住宅市街地総合整備事業を合併施行し本格的に事業が始まった。

 95年に発生した阪神・淡路大震災でも、同地区は建物の倒壊はあったが火災はなく、事業に大きな影響はなかった。

 事業で道路を5、6メートルに拡幅し、地区を東西に横断する都市計画道路「高松線」が整備された。01年には市営地下鉄海岸線が開業し、神戸ウイングスタジアム(現ノエビアスタジアム神戸)が完成。同線御崎公園駅に近く、住宅地としてのニーズも高まった。

 現在は約4千人が居住し、高松線沿いの共同建て替えのマンションには子育て世帯も入居している。各町に1カ所の公園を設け、ベンチなどを置く「まちかど広場」も8カ所を整備。この20年、校区の浜山小学校の児童数は維持されているという。

 浜山地区まちづくり協議会の設立当初から役員を務めている桜井良和会長(80)は「住民みんなが当事者意識を持ったから、事業が進んだ。高層住宅や民家、公園などの調和がとれた、いい街になったと思う」と話す。

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